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  1. 茨城県議会 2018-03-06
    平成30年第1回定例会(第4号) 本文 開催日: 2018-03-06


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     平成30年第1回                 茨城県議会定例会会議録  第4号          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 平成30年3月6日(火曜日)午後1時1分開議          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯山岡恒夫議長 これより,本日の会議を開きます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯山岡恒夫議長 諸般の報告をいたします。  知事から,追加議案が提出されましたので報告させます。議事課長。                    〔山本議事課長報告〕                                         財   第 297号                                         平成30年3月6日 茨城県議会議長  山 岡 恒 夫 殿                                  茨城県知事   大井川 和 彦                議 案 の 送 付 に つ い て  平成30年第1回茨城県議会定例会に下記の議案を提出するため,説明書を添えて別添のとおり送付します。                        記  第85号議案 教育委員会教育長の任命について          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第1 第1号議案=ないし=第84号議案及び報告第1号
    3 ◯山岡恒夫議長 これより議事日程に入ります。  日程第1,第1号議案ないし第84号議案及び報告第1号を一括して議題といたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 4 ◯山岡恒夫議長 これより,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので御留意願います。  萩原勇議員。                  〔35番萩原勇議員登壇,拍手〕 5 ◯35番萩原勇議員 いばらき自民党の萩原勇であります。  質問に先立ちまして,去る2月26日に御逝去されました菊池敏行前議長の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに,哀悼の意を表します。  今回,一般質問の機会をいただきました先輩議員,また同僚議員の皆様,そして遠方より傍聴いただきました,地元龍ケ崎市の大応援団の皆様,心から感謝を申し上げます。そして,龍ケ崎市,また茨城県民の思いを胸に,通告に従いまして質問をさせていただきます。  初めに,新観光創生についてお伺いをいたします。  大井川知事は,昨年12月に策定した政策ビジョンの中で,政策の基本方針の1つに「ビジット茨城 ~新観光創生~」を掲げました。今後,地域資源を活用した新たな体験メニューの開発やアクティビティの充実のほか,クリエイティブの活動の活用など,新しい観光をつくろうとしております。  また,本定例会において,観光客や企業誘致など,外部への売り込みを求められる部署を集約して,新たに「営業戦略部」を設置することを含めた組織再編も提案されており,観光振興に力を入れていく方針が伺えます。  本県が最下位となっている魅力度ランキングにおいても,ランキングに対して「観光意欲度」の影響が非常に大きいとのことであり,新たな観光振興の取り組みにより,本県の魅力度ランキングが上昇することも大いに期待するところであります。  県では,これまで茨城県観光振興基本計画に基づき,魅力ある観光地域づくりや,国内外からの誘客促進に取り組んできました。計画に掲げた目標のうち,観光地に来ていただいた客数,観光地点等入込客数や観光消費額,観光地でお金を落としてもらう額については,平成28年時点でおおむね目標値を達成している一方で,宿泊観光入込客数や外国人旅行者数は少なく,さらなる強化が必要であります。  2020年の東京オリンピックを控え,今後さらにインバウンドの増加が見込まれますが,海外からの観光客をいかに本県に呼び込んで来るのかということが課題になっていると考えます。  近年,外国人旅行者の間では「日本をもっと深く楽しむ」という考えのもと,「DeepJapan(ディープジャパン)」というサイトが人気を集めております。  「DeepJapan」は,日本に長年住んでいる多様な国籍の方々が,外国人の視点で見つけたスポットやノウハウなどのアドバイス記事を投稿するサイトで,ガイドブックでは知ることのできない「食」や「観光スポット」などのディーブな旅行情報やノウハウを提供しているものです。  本県でも県内在住の留学生などに協力をしていただき,より深い,茨城のディープな魅力を情報発信していくべきと考えます。  また,インバウンド需要を取り込むもう1つのポイントとして,富裕層の取り込みが考えられます。そのためには,富裕層が気持ちよくお金を使っていただけるようなサービスと環境を整えなくてはなりません。  オリンピックキャンプ地誘致の際には,一流選手が所属するチームは,宿泊施設の条件が厳しく,本県は宿泊施設の面から候補地にならなかったということもあります。今後,海外の富裕層に来ていただけるよう,高級ホテルを誘致していくような取り組みも必要ではないでしょうか。  なお,次年度「新たな茨城県総合計画」の策定が予定されておりますが,より高い目標を掲げて,新観光創生に取り組まれることを期待いたします。  以上を踏まえ,茨城の「新しい夢・希望」をつくるため,今後どのように新観光創生に取り組んでいくのか,知事にお伺いをいたします。  次に,東京オリンピックパラリンピック事前キャンプ誘致についてお伺いします。  2020年の東京オリンピックパラリンピック開催まで2年余りとなりました。東京オリンピックパラリンピックにおいては,競技開催はもちろんのこと,本県への経済効果や国際交流などの観点から,各国の事前キャンプの誘致についても,大いに期待をするところです。  現在,本県では27の市町が事前キャンプ誘致の意向を示しており,誘致活動に取り組んでいるとのことであります。  その中でも,私の地元龍ケ崎市では,市内にある流通経済大学とスクラムを組み,行政と大学が力をあわせてキャンプ地誘致に取り組んでおります。流通経済大学の持つ海外のスポーツ関係者との太いパイプを生かし,これまでにキューバの柔道チームオセアニア地域柔道チーム,タイの陸上チームについて,事前キャンプ実施に向けた基本合意書が取り交わされております。  キャンプ誘致の意向を示している27市町のうち,誘致が決まっているのは,龍ケ崎市外,常陸大宮市と桜川市のみであります。本県の誘致活動はまだまだこれからであります。  中には,具体的に想定する国がないことや人的な問題などから,誘致活動がうまく進んでいない市町村もあるとのことであり,県としては,情報収集や市町村への支援というスタンスではなく,みずからが前面に立ち,「より多くの国・地域から茨城県に来ていただく」という強い決意を持って誘致に取り組み,市町村とのマッチングを行うべきと考えます。  また,誘致対象として,例えば,キャンプ地の経済効果やメディアへの露出などの面からも,本県へのメリットが多いと考えられる知名度の高いチーム,メダル獲得の可能性が高いチームや,産業面や文化的なつながりなどから,将来的な交流のストーリーを描ける国・地域に的を絞るという発想も必要ではないでしょうか。  キャンプ誘致は,本県に多くの選手が訪れる千載一遇のチャンスであります。本県の子どもたちにとって,オリンピアンとの触れ合いがレガシーとなり,将来のオリンピック出場への道になるかもしれません。県として,その橋渡しを担っていただきたいと考えます。  そこで,より多くの市町村がキャンプ誘致に成功し,さまざまな国・地域の選手たちが本県に来ていただけるよう,今後どのように誘致活動に取り組むのか,企画部長にお伺いをいたします。  次に,牛久沼の水質浄化について伺います。  私はこれまでの一般質問で,地元龍ケ崎市の貴重な資源である牛久沼の有効活用や水質保全について,何度も取り上げさせていただきました。  龍ケ崎市では,平成32年度中に牛久沼の湖畔,国道6号沿いに道の駅を整備する計画があり,道の駅を拠点とした牛久沼の利活用を進めていくこととしております。  牛久沼の利活用を進めていくには,沼の水がきれいであることが前提となるため,過去に全国ワースト3位まで悪化したことのある水質の浄化に,何としても取り組まなければなりません。  県ではこれまで3期15年にわたり,牛久沼水質保全計画に基づき,生活排水からの汚濁負荷の削減や家畜排せつ物の適正管理など,さまざまな水質浄化対策に取り組んできました。水質浄化の目安となるCODの値は,平成11年度の11から,昨年度は6.8まで改善をしております。そのことについては敬意を表するところでありますが,目指すところは基準の5であります。  現在策定中の第4期計画における今後5年間のCODの改善目標は,現在の6.8を,わずか0.1低下させるというものであり,非常に物足りなく感じております。ぜひ泳げる牛久沼,そして泳げる霞ヶ浦も含めて,5を目指していただきたいと思っております。  昨年の第4回定例会において,森林湖沼環境税の課税期間を延長し,今後さらに森林の保全整備と湖沼・河川の水質保全に取り組むこととしたところであります。牛久沼の水質浄化についても,これまでの対策に加え,県内の大学や国の研究機関,さらには民間企業などの協力を得ながら,より効果的な水質浄化策を研究するなどいろいろな角度から取り組んでいただきたいと考えます。また,水質浄化の成果を「見える化」することも大変重要であります。  霞ヶ浦においては,石田湖岸に1,000平米程度の「閉鎖浄化区」を設定し,直接浄化装置を設置して霞ヶ浦の浄化を見える化する,大規模な事業に取り組むと伺っております。  この事業は,来年度開催する世界湖沼会議でも紹介する計画とのことであり,霞ヶ浦の水質浄化の取り組みや成果を,県民のみならず,全国さらには世界の方々に理解していただける非常にすばらしい事業であると思います。  道の駅の整備にあわせて,牛久沼でも同様の事業をぜひ実施していただき,牛久沼の水質浄化についても,県民への見える化を進めていただきたいと考えます。  そこで,今後,県として,牛久沼の水質浄化やその成果の見える化にどのように取り組むのか,生活環境部長にお伺いをいたします。  次に,待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。  平成29年4月1日現在の本県における待機児童数は516人であり,前年と比較して134人の増加となっております。県では,平成31年度までに待機児童数をゼロにするという目標を掲げておりますが,実際には,平成25年以降,減少するどころか,毎年増加をしており,非常に深刻な事態となっております。  特に,保育士不足が大きな課題となっており,園によっては,保育士が確保できないため,利用定員よりも少ない人数しか受け入れられない状況も見られます。  保育士を確保するためには,給与など処遇の改善を進めることはもちろんのこと,過重労働になりがちな保育士の負担を軽減し,保育士が働きやすい環境づくりを進めていくことが重要であり,そこで期待されるのが「子育て支援員」であります。  子育て支援員は,自治体などが行う専門の研修を受けた方に対して,「無資格でも,保育や子育て支援に十分な知識や技術を持っている人」という政府のお墨つきを与える制度で,保育士の補助役,サポート役として大いに活躍していただけると思っております。  今年度の研修は,県央地区と県南地区のみで行われておりますが,今後は,各市町村で受講できるようにするなど研修体系を改善したり,また,シルバー人材センターなどいろいろなところと連携をして,子育て経験のある高齢者にも働きかけたり,県としても積極的に子育て支援員の増員に努めるべきであると考えます。  また,待機児童が発生している一方で,立地場所の問題などから入所者が定員に満たない保育園もあります。送迎バスの活用により効率的な園の利用も検討すべきであると思っております。  例えば,通勤道路に面する利便性が高いと思われる施設を集合場所として,近所の方がボランティアのような形で子どもたちの世話を見たり,子どもたちが集まった後にバスで送迎するような仕組みができれば,仕事と家庭を両立させる上で,保護者の負担軽減につながります。  また,定員に満たない幾つかの公立保育園を統合して1つの園として,バスによる送迎を行えば,保育士を1カ所に集中させ,限られた保育士を効率的に配置することもできるのではないでしょうか。  女性の就労意欲の向上などによる入所希望者が増加している中,従来どおりの取り組みをしているだけでは,待機児童ゼロを達成することはできません。それぞれの地域の実情を分析し,各地域に合った新たな解決方法を見つけ出していかなくてはならないと考えます。  そこで,深刻な問題となっている待機児童を解消するため,今後,県としてどのように取り組むのか,保健福祉部長にお伺いをいたします。  次に,低コストで生産性の高い水田農業の確立についてお伺いをします。  「強い農業」「儲かる農業」を実現するためには,基盤整備やICT等を活用した新技術等の導入により,さらなる生産性の向上とコスト低減に取り組まなければなりません。  本県における水田の基盤整備は,これまで,国の基準や地元の意向を踏まえ実施されてきたとのことですが,給水栓の口径や設置数については,現在,担い手への農地集積が進む中,大きな区画でも直径25ミリの小さい給水栓が1区画に幾つもある状況が一般的となっており,大規模な担い手になるほど水管理に労力を費やし,低コスト化を図る上での障害となっているという声も聞いております。  今後,水田の区画整理を進めるに当たっては,担い手への農地集積・集約化を進め,1つの区画をより大きな面積とすることで給水栓の数を削減し,管理作業を省力化するなど,一層の低コスト化を図る必要があると考えます。  私の地元において,来年度から利根町の利根西部地区で新たなほ場整備が始まるほか,龍ケ崎市の川原代地域大塚上地域でも水田整備の希望が上がっております。今後整備が行われるほ場について,さらに,低コストで合理的な農業生産が可能なほ場となるよう,県として地元の合意形成を進めていくべきと考えます。  また,先進的な生産者は,ICTを活用した最適な水管理を行い,省力化や収量の向上につなげております。今後も,スマートフォンや遠隔操作で水管理を行ったり,ドローンによる生育診断やトラクターの自動走行など,水田農業においてICTのさらなる利活用が期待をされます。  国の研究機関が数多く立地する本県としては,研究機関や民間企業と連携をして,他県に先駆けてICTの研究や現地実証を進め,いち早く,県内各地の多くの生産者に新しい技術を普及させていくべきと考えます。  本県は全国2位の農業産出額を誇る農業大県であり,だからこそ,さらに上を目指して,積極的な取り組みをしていかなくてはならないと考えます。  そこで,「強い農業」「儲かる農業」を実現するため,低コストで生産性の高い水田農業の確立が必要と考えますが,県として今後どのように取り組むのか,農林水産部長にお伺いします。  次に,道路行政についてお伺いをします。  まず,県道美浦栄線バイパス県道河内竜ケ崎線バイパスの整備についてであります。  県道美浦栄線バイパスは,本県と千葉県との連絡性を強化するための重要路線であり,地元龍ケ崎市を初めとした沿線地域の振興に大きく寄与する路線として期待をされております。市においても,圏央道を連絡する重要路線として位置づけており,特に,重要課題であるつくばの里工業団地周辺における企業誘致のためにも,本バイパス整備によるさらなるアクセス向上が不可欠と考えており,毎年,整備促進の要望を行っているところであります。  本バイパス整備には,軟弱地盤で多額の費用を要する中,地元の皆様の多大なる御協力のもと,これまでに有料道路部の若草大橋を含む国道356線から県道竜ヶ崎潮来線までの区間が供用されており,現在は,県道竜ヶ崎潮来線から北側の県道八代庄兵衛新田線までの500メートル区間の整備が進められております。  さらに,圏央道阿見東インターチェンジまでの北部延伸の早期実現に向けては,その第一歩としては,まずはルート計画の決定が必要であります。現在進められている区間が終了した後,スムーズにその先の整備に取りかかれるよう,早急にルートの検討を進めていただきたいと考えます。  なお,延伸ルートの候補地については,長戸北部土地改良区の水田の基盤整備が計画をされており,地元の声をしっかりと聞き,適切なルートの選定を要望いたします。  また,県道河内竜ヶ崎線は,河内町の県道取手東線から龍ケ崎市の市街地までを東西に横断する重要な生活道路であります。龍ケ崎市境から大徳町地内にかけては,幅員が狭い上に,歩道も整備されておらず,安全な交通に支障を来しており,当区間を迂回するバイパス整備が進められております。  これまでに,美浦栄線バイパスの交差点部分から西側の区間が供用されておりますが,その東側の区間が未整備となっております。全線供用に対する地元からの要望は大変大きいものの,事業予算を見ると,まだまだ時間のかかることが懸念をされます。  そこで,県道美浦栄線バイパス及び県道河内竜ヶ崎線バイパスの進捗状況と今後の見通しについて,土木部長にお伺いをいたします。  次に,龍ケ崎市内の道路における,特に危険な2カ所の安全対策についてお伺いをします。  1カ所目は,県道竜ヶ崎潮来線県道美浦栄線が交差する半田町交差点であります。  半田町交差点は,県道同士の交差点であるにもかかわらず,右折レーンが設置されておらず,工業団地へ向かう車両により,朝夕の通勤時間帯の渋滞が非常に激しい状況にあります。交差点付近には小学校のスクールバスの停留所があり,児童の安全面からも早急な安全対策が必要であります。  そして2カ所目は,県道竜ヶ崎阿見線の泉地区であります。  この地区は道路がS字にカーブしていることに加え,民家が隣接しており,常に見通しの悪い状況が続きます。さらに,下り坂でスピードが出やすいこともあり,車両が民家に激突する交通事故がたびたび発生をしております。阿見アウトレットモールができてから,交通量もさらに増加し,住民は常に危険を感じております。  これら2カ所については,先ほど質問した県道美浦栄線バイパス整備がされれば,交通量が緩和されることが想定されますが,バイパス整備には非常に長い時間がかかってしまいます。  そこで,龍ケ崎市内において地域住民が特に危険を感じている2カ所について,安全性を確保をするための早急な対策が必要であると考えておりますが,県としてどのように取り組むのか,土木部長にお伺いをいたします。  最後に,次世代を担う「人財」の育成についてお伺いをします。  知事は,グローバル社会で通用する茨城県の「人財」育成を進め,本県からビル・ゲイツのような人材を輩出することを公約に掲げております。  政策ビジョンの中でも,小中高等学校において,インターネットを活用した英会話・プログラミングの教育の導入や理数教育の充実を図るとともに,意欲ある子どもたちに,よりレベルの高い教育の機会を提供するとしております。  私も,今後グローバル社会で活躍するためには,英会話能力とプログラミング能力は欠くことができない能力と考えており,県として,これらの教育に力を入れるべきと考えております。  そこでまず,小学校における英語教育の充実についてお伺いをいたします。  文部科学省では,昨年3月に小中学校の学習指導要領を改訂し,今後,小学校において外国語教育を充実させることとなりました。具体的には,平成32年度から小学校5年生,6年生では英語が正式な教科となり,年間70時間の授業が行われるとともに,これまで5年生,6年生が週1回行っていた外国語活動を,3年生,4年生に早めることとしております。  県内全ての公立小学校では,英語の教科化を1年前倒しをして平成31年度から先行実施をする方向で検討しているとのことであり,本県が独自に英語教育を強化しようとする姿勢は,大変すばらしいことであると思っております。社会の中で使える英語を身につけるためには,吸収力の高い小学校の早い段階から英語になれ親しむことは,非常に大切なことであります。  一方で,吸収力の高い段階であるからこそ,文法や単語を教えるような指導ではなく,実際に英語でコミュニケーションがとれるような生きた英語を教えていく必要があります。そのためには,児童に生きた英語を教えることのできる教員の確保・育成が何よりも大切と考えます。  現在,本県の小学校の教師,非常勤講師約7,200人のうち,英語免許状を有する者は約700人と,全体の10%にも満たない状況であります。  また,日本人教師を補助するALTは,市町村により能力や人数,費用にばらつきが見られます。国では,来年度の公立小学校の教職員定数について,質の高い英語を専門的に教える「専科指導教員」を1,000人増やす方針を明らかにしておりますが,本県においてはどのように取り組んでいくのでしょうか。  そこで,教員の確保・育成を含め,今後,本県小学校における英語教育の充実を図るため,どのように取り組むのか,教育長にお伺いをいたします。  次に,本県独自のプログラミング教育についてお伺いをいたします。  プログラミング教育についても,小中学校の学習指導要領の改訂のポイントの中で,重要事項として明記をされております。今後,小学校では各教科でコンピューター等を活用した学習活動を充実させ,「プログラミング的思考」を育成するとともに,中学校においては,週1回の技術・家庭科の授業の中で数時間がプログラミング教育に充てられ,「簡単なプログラムが作成できること」が目標とされております。  先月,高校の学習指導要領についても改訂案が公表され,高校ではプログラミングを含む情報教育に関する科目を再編し,全ての生徒が履修する「情報I」を新設することにより,プログラミングの基礎等の内容を必修化する方向性が示されました。  このように,今後,小中高校で段階的にプログラミング教育が実施されることになりました。あくまで基礎的なものに過ぎません。現状では,強力にプログラミング教育を進めていくための授業の枠もなく,教えていく人もいない状態であります。児童生徒が目指す人間像としてスポーツで例えるならば,メジャーリーガーの大谷選手やイチロー選手のような,世界でも活躍するような人になりたいというイメージも持てない状況ではないでしょうか。これからの時代には,未来の子どもたちはもちろん,全ての茨城県民がプログラミング能力を身につけていけば,こんなに強い武器はないと思います。その方法や環境整備についてはどうするのでしょうか。  プログラミング教育については,まさに知事の得意分野であり,前職の経験を生かした通信教育であったり,これまでの人脈を生かしてプログラミングの専門家に協力を依頼するなど,プログラミング教育の先進県として,茨城独自の取り組みをしていくべきであります。  そこで,次世代を担う「人財」の育成のために,本県独自の取り組みによりプログラミング教育を強化していく必要があると考えますが,今後どのように取り組むのか,教育長にお伺いをいたします。  以上をもって質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 6 ◯山岡恒夫議長 萩原勇議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。
     大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 7 ◯大井川和彦知事 萩原勇議員の御質問にお答えいたします。  新観光創生についてお尋ねをいただきました。  私は,人口減少が進む今後10年間に何をするかで,本県の未来が大きく方向づけられるとの危機感を持ち,みずから先頭に立って新しいことに挑戦し,県民の皆様とともに未来に夢と希望を持つことのできる新しい茨城をつくり上げてまいりたいと考えており,まさに,この「新しい夢・希望」へのチャレンジの1つが新観光創生でございます。  新観光創生では,今後一層の増加が見込まれる外国人観光客を積極的に本県に呼び込むため,国際観光を推進いたしますとともに,新たな地域資源の活用や体験型観光を促進することにより,地域の活性化を図ってまいります。  まず,国際観光につきましては,口コミサイトやSNSを見て旅行先を決め,宿泊施設の予約をWEBサイトから行う訪日外国人がふえておりますことから,新たに,利用率の高い宿泊予約サイトに本県の観光情報を掲載いたしますとともに,スマートフォン向けに観光地のPR動画を配信するほか,ホームページを画像中心にリニューアルするなど,誘客プロモーションを戦略的に展開してまいります。  また,外国人目線を活用した誘客促進を図るため,県内の留学生を対象としたモニターツアーの取り組みを強化し,ガイドブックに掲載されていないような隠れた観光資源の発掘や,SNSによる感動体験の発信など,議員御提案の,よりディープな魅力をアピールし,新たな観光資源の創出につなげてまいります。  さらに,海外の富裕層など新たな客層の獲得に向け,本県のフラッグシップとして観光イメージを大きく向上させることが期待できるホテル等の誘致に取り組んでまいります。  あわせて,県内の宿泊施設のさらなる魅力向上を進めるとともに,市町村等と連携し,「朝型・夜型」の観光資源を組み込んだ周遊コースを新たに提案するなど,宿泊観光を促進してまいります。  また,筑波山・霞ヶ浦地域の観光資源の磨き上げや,明治150年を契機とした歴史的資源を生かした誘客など,新たな地域資源の活用に取り組んでまいりますほか,外国人にも人気のゴルフやサイクリングを初めとしたスポーツツーリズムの取り組みを強化するなど,体験型観光を促進してまいります。  なお,新たな県総合計画における数値目標につきましては,今後の総合計画審議会における議論を十分に踏まえ,検討を進めてまいります。  私といたしましては,茨城の新しい夢・希望につながるよう,本県の強みをこれまで以上に生かし,新観光創生に全力で取り組んでまいります。 8 ◯山岡恒夫議長 次に,盛谷企画部長。                    〔盛谷企画部長登壇〕 9 ◯盛谷企画部長 東京オリンピックパラリンピック事前キャンプ誘致についてお答えいたします。  オリンピックパラリンピック事前キャンプは,トップアスリートとの交流を通じ,県民のスポーツに対する興味・関心の向上や,国際交流の推進,本県の魅力発信などの効果が期待されております。  事前キャンプ地について,各国選手団は練習施設や宿泊施設はもちろんのこと,食材の供給や選手の移動手段,医療機関の紹介,地元の受け入れ体制など,さまざまな点を確認し決定することとなります。  それには,地元市町村のサポートが必須でありますので,県といたしましては,意欲がある市町村とともに誘致を進めていくことが,何よりも重要であると考えております。  このため,県では,市町村と誘致に係る連絡会議を定期的に開催し,大学関係者等を講師とした研修会や,キャンプ誘致の取り組みに関する情報交換などを実施し,県と各市町村間の連携体制を構築しております。  また,県内施設やキャンプ地としての魅力を紹介する多言語対応ホームページの作成や,市町村との大使館訪問,県内施設の視察要請に対する市町村と連携した速やかな対応など,幅広く誘致活動を行っております。  さらに,市町村のキャンプ誘致活動経費に対する助成制度を今年度から設け,市町村の誘致活動の支援を行っているところでございます。  こうした取り組みの中で,地元で活動しているベトナム人農業実習生を講師として,小学生にベトナムの伝統文化や遊びを紹介したり,陸上競技の中・長距離の有望選手であるエチオピアの中学生を招待し,中学校体験入学や市内で開催される中学生駅伝大会で地元の学生とともに走ったりするなど,県内各地で交流の芽が生まれてきております。  国際貢献や共生社会の実現などの観点からも,オリンピックパラリンピックを契機に,このような交流を将来へつなげていくことは非常に有効であると考えておりますので,このような取り組みが数多く出てくるよう,2020年に向け,県としても地元市町村と連携を強化してまいりたいと考えております。  オリンピックパラリンピックが開催されるこの貴重な機会に,その効果を最大限に広げるべく,今後とも,東京や空港からの良好なアクセスや充実したスポーツ施設の情報,豊かな自然・食の提供など,本県の持つキャンプ地としてのメリットを積極的にアピールし,市町村とともに誘致を推進してまいります。 10 ◯山岡恒夫議長 次に,近藤生活環境部長。                   〔近藤生活環境部長登壇〕 11 ◯近藤生活環境部長 牛久沼の水質浄化についてお答えいたします。  牛久沼では,これまで3期15年にわたり水質保全計画に基づき各種対策を実施してまいりました。  その結果,湖内のCODは改善してきておりますが,環境基準の5ミリグラム・パー・リットルの達成には至っていない状況でございます。  そこで引き続き,総合的な水質保全対策を計画的に推進するため,平成33年度を目標年度とする第4期牛久沼水質保全計画を本年度内に策定することとしております。  特に,牛久沼流域は,つくばエクスプレス沿線開発等により,流域の人口が現状の約13万人から,第4期計画の最終年度の33年度までには,約1万人も増加するということが見込まれておりますことから,計画では,生活排水対策や市街地からの負荷削減について重点的に推進してまいります。  生活排水対策としては,森林湖沼環境税を活用した下水道等への接続や,高度処理型浄化槽の設置を促進しますとともに,面源対策としては,市街地からの汚濁負荷の流出を抑制する雨水貯留浸透施設の整備促進や,環境にやさしい農業の推進などに努めてまいります。  また,龍ケ崎市等流域4市,土地改良区,漁協により構成される「牛久沼流域水質浄化対策協議会」が取り組む,水環境保全活動を引き続き支援しますとともに,第4期計画では,龍ケ崎市が整備する道の駅での啓発活動を新たに位置づけ,水質保全意識の高揚を図ってまいります。  さらに,県霞ケ浦環境科学センターにおいて,牛久沼の汚濁機構の解明に関する調査研究を進めるとともに,関係機関と連携し,効果的な浄化対策を検討してまいります。  次に,議員御提案の成果の「見える化」についてでございます。  霞ヶ浦は,面積が広い上に水深が浅く,元来,水質が汚濁しやすい湖でございます。  一方,牛久沼は流域や沼の面積が小さく,霞ヶ浦に比べ浄化対策の効果があらわれやすい湖沼でありますことから,保全計画に掲げる水質浄化対策を確実に実施することで,牛久沼の水質を改善し,今後,整備が予定されています道の駅を利用する方々に見ていただきたいと考えております。  また,本年10月に開催されます第17回世界湖沼会議において,牛久沼の水質改善の経過を初め,流域での水質浄化活動の取り組みを発表するなど,浄化対策をさまざまな媒体を通して情報発信することで,その成果を「見える化」し,住民の水質保全に対する意識の向上につなげてまいりたいと考えております。  県といたしましては,今後とも,流域の住民を初め,牛久沼流域水質浄化対策協議会や関係機関と協力しながら,牛久沼の水質保全に着実に取り組んでまいります。 12 ◯山岡恒夫議長 次に,木庭保健福祉部長。                   〔木庭保健福祉部長登壇〕 13 ◯木庭保健福祉部長 待機児童解消に向けた取り組みについてお答えいたします。  本県では,各市町村が保育の需要量を推計して策定した「子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ,安心こども基金などを活用し,保育所や認定こども園の整備による保育の受け皿拡大を図ってきたところです。  また,保育の受け皿拡大のためには,施設等の整備とあわせ,保育人材の確保が必要となるため,保育士業務の負担軽減など労働環境の整備のほか,新規卒業生の就業促進などを積極的に推進してきたところです。  議員御提案の「子育て支援員」につきましては,小規模保育などの地域型保育事業や人材確保が難しい朝夕の保育への従事などにより,保育の受け皿拡大に資することから,来年度から,子育て支援員研修の定員を拡大し,増員を図ってまいります。  また,「子育て支援員」のニーズが見込まれる市町村において,こうした研修の実施を促すことなどにより,子育て経験者を初め,多様な人材の保育分野への就業を幅広く促進してまいります。  さらに,議員御提案の送迎バスを活用した取り組みにつきましては,定数に余裕のある保育所等の有効活用や,保護者の利便性の向上などの利点があるものと考えております。  また,保育士の効率的な配置につきましても,例えば,保育所等において土曜日の利用が少ない場合に,近隣の保育所等が連携して共同保育を実施する制度もあると承知しております。県におきましては,これらの先進事例の取り組みの紹介や助言等により,市町村において活用が進むよう支援してまいります。  このほか,新たな取り組みとして,来年度から,民間のノウハウを活用した保育人材バンクを設置・運営し,保育士確保の支援を行ってまいります。  県におきましては,「子ども・子育て支援事業支援計画」の中間年に当たる今年度,市町村ごとに今後の保育需要や確保方策について見直しをしているところです。この見直しをした計画を踏まえて,市町村や保育所等との意見交換を行いながら,地域の実情に沿った有効な施策を展開し,待機児童解消に向けて積極的に取り組んでまいります。 14 ◯山岡恒夫議長 次に,櫛田農林水産部長。                   〔櫛田農林水産部長登壇〕 15 ◯櫛田農林水産部長 低コストで生産性の高い水田農業の確立についてお答えいたします。  県では,これまで水田農業の生産性向上を図るため,県内の約8割の水田で区画整理を行うとともに,農業用水路をパイプライン化するなど用排水施設の整備を進めてまいりました。  水田の整備に当たっての給水栓の口径や配置につきましては,国の基準や地元の意向などを踏まえ,1区画を1日で水張りできる水量をもとに,口径25ミリメートルのものを30アールに1カ所の割合で設置をしてまいりました。また,それ以上の大きな区画については複数設置し,水回りを早めることなどに配慮をしてまいりました。  しかしながら,近年,農地集積・集約化が進み,大規模経営体が多くのほ場を管理する状況にあることから,今後はこれら労力のさらる軽減を図る必要があると考えております。  このため,利根町の利根西部地区など,今後,区画整理を計画している地区につきましては,担い手の意向も踏まえながら,農地を集積・集約し,区画の拡大を図るとともに,給水栓の口径を大きくし数を減らすなど,水管理の省力化を進めてまいります。  さらに,今後低コストで生産性の高い水田農業を一層推進していくためには,ICTなどの新技術の導入を積極的に進めていくことも必要であります。  例えば,水管理の省力化の観点では,つくば市にある国の研究機関におきまして,ICTを活用して用水ポンプから末端の給水栓までを一体的にスマートフォンにより遠隔操作する技術についての実証実験が,県内では龍ケ崎市など2カ所で行われているところです。  また,県におきましては,水温や水位などが測定できる水田センサーや,ほ場管理システムなどのICTと高密度播種育苗技術等の低コスト化技術を,経営の実情にあわせて取り入れることにより,米60キログラム当たりの生産コストを20%削減する実証研究を県内4カ所の経営体で実施しているところでございます。  今後,これらの取り組みを通じて得られた成果や新技術の導入に伴う費用対効果などについて,より多くの農業者の方へ速やかに,わかりやすく情報提供していくことで,採算性にも留意をしながら,効果の高い技術の県内への普及を図ってまいります。  県といたしましては,これらの取り組みにより,低コストで生産性の高い水田農業の確立を図り,「儲かる農業」の実現を目指してまいります。 16 ◯山岡恒夫議長 次に,富永土木部長。                    〔富永土木部長登壇〕 17 ◯富永土木部長 道路行政の推進についてお答えいたします。  まず,県道美浦栄線バイパス及び県道河内竜ヶ崎線バイパスの整備についてでございます。  県道美浦栄線につきましては,千葉県との連携強化や県南地域の振興に大きく寄与する幹線道路であり,現在,若草大橋から北側の約5.8キロメートルのバイパス整備を進めているところでございます。  このうち,若草大橋から県道竜ヶ崎潮来線までの約5.3キロメートル区間が開通しており,現在,この区間の北側,県道八代庄兵衛新田線までの約500メートル区間において,道路本線の地盤改良工事や調整池の移設工事を進めております。  来年度には,これらの工事が完成する予定であり,その後は,一日も早い供用を目指し,道路の築造工事などを進めてまいります。  また,本バイパスから北側への延伸につきましては,これまでに現地に生息する貴重動植物などの調査を行ってきており,今年度は,早期事業化を目指して,これまでの調査結果や周辺状況の変化を踏まえたルートの検討や交通量解析を実施しております。  今後は,地元市や関係機関との調整を行いながら,できるだけ早期にルートを確定し,圏央道4車線化の進捗にあわせて,本バイパスの延伸区間が事業化できるよう準備を進めてまいります。  次に,県道河内竜ヶ崎線につきましては,河内町の県道取手東線から龍ケ崎市の市街地を結ぶ地域間の交流や住民の日常生活を支える道路でございます。  しかしながら,龍ケ崎市宮渕町から大徳町までの区間につきましては,幅員が狭く,歩道がないなど,円滑な通行に支障を来しておりますことから,河内町生板の県道美浦栄線から龍ケ崎市大徳町の県道竜ヶ崎潮来線まで約3.2キロメートルのバイパス整備を進めております。  このうち,県道美浦栄線バイパスから西側の約1.3キロメートル区間が開通しており,この東側,河内町生板までの約1.9キロメートル区間につきましては,これまでに軟弱な地盤を改良する工事を進めてまいりました。  現在は,美浦栄線バイパスから東側,約300メートル区間の道路改良舗装工事を進めており,工事が完成次第,この区間を供用することとしております。  県といたしましては,これら2本のバイパスは県南地域の活性化に大きく寄与するものと考えておりますので,できる限り早く全線が供用できますよう,積極的に事業の推進を図ってまいります。  次に,危険箇所の安全対策についてでございます。  交通危険箇所におきましては,交差点の改良や局所的な現道拡幅,歩道整備といった抜本的な対策とあわせ,カラー舗装や注意喚起標識の設置などの応急対策に取り組んでいるところでございます。  お尋ねの,まず,県道竜ヶ崎潮来線と美浦栄線が交差する半田町交差点につきましては,右折レーンがない上,一部区間では歩道もなく,右折しようとする車両と,道路を横断するため信号待ちをしている通学児童との間を直進車両が路肩にはみ出してすり抜けることなどから,危険な状況が発生しております。  このため,県では,交差点改良の検討を行うこととし,地元市や土地改良区などと協議を重ねておりますが,道路や水路の境界が不明確であるなど,公図と現地の状況が一致していないため,用地を取得することができず,早期に交差点を改良することは困難な状況でございます。  このような現状を踏まえ,昨年12月,応急的な安全対策として,交差点の手前において,注意や減速を促す路面標示を設置したところでございます。  引き続き,交通の安全を確保するため,交差点におけるさらなる応急対策を検討するとともに,交差点改良につきましても,暫定的な整備ができないか,関係者と協議を進めてまいります。  次に,県道竜ヶ崎阿見線の泉地区につきましては,道路が屈曲し見通しが悪い上,急な下り坂であるため速度が出やすいことから,大変危険であるとの御意見をいただいており,実際に交通事故も報告されているところでございます。  このような現状を踏まえ,昨年12月,応急的な安全対策として,注意や減速を促す路面標示を設置したところであり,引き続き,さらなる応急対策の実施を検討してまいります。  県といたしましては,今後も,交通危険箇所において早期に効果を発揮できるような対策を講じることにより,安全性の向上に努めてまいります。 18 ◯山岡恒夫議長 次に,柴原教育長。                    〔柴原教育長登壇〕 19 ◯柴原教育長 次世代を担う「人財」の育成についてお答えいたします。  小学校における英語教育の充実についてでございます。  学習指導要領の改訂に伴い,小学校では,来年度より2年間の移行期間が始まるところでございますが,この2年間を重要な時期と捉え,全ての小学校での円滑な実施に向けて,万全の準備を整えてまいります。  そのような中,議員御指摘のとおり,児童に生きた英語を教えることができる教員の確保・育成は大変重要でございます。  まず,教員の確保についてでございますが,本県においては,昨年度より,茨城大学と連携のもと,小学校教員を対象とした英語免許取得講習に取り組んでおりまして,英語教育を推進し,各校の中心となって活躍する教員の確保に努めております。  また,小学校,中学校からの人事交流や小学校間の人事異動を計画的に進め,小学校に英語免許状所有者をバランスよく配置できるようにするなど,指導体制の充実を図っているところでございます。  さらに,教員採用試験では,英語検定等一定の有資格者への加点制度を設け,英語力のある教員の採用に努めているところでございます。  次に,教員の育成についてでございます。  本県では,学習指導要領の改訂を見据え,平成26年度より小学校外国語活動推進事業を立ち上げ,英語の免許を持たない小学校教員を対象に,毎年300人,5年間で1,500人がネーティブスピーカーとオールイングリッシュで行う英語力等向上研修を実施するなど,その対策に取り組んでいるところでございます。  また,英語を母国語としない生徒に対する指導法において,優秀なプログラムを実施しておりますハワイ大学へ,毎年,中学校・高校から英語の中核教員21名を派遣しておりますが,研修後には専門指導員として,小学校においても英語の教科化に向けたモデル授業を公開し,小学校教員の指導力向上に努めております。  このほか,英語の専科指導教員は,来年度10名を予定しておりますが,その教員が勤務校や近隣の学校において専門性の高い授業を実践することで,英語教育の質の向上を図ってまいります。  加えて,平成32年度から,全ての小学校で英語の授業が確実に実施できるよう,来年度,時間割や指導体制の工夫などに取り組むモデル校を15校指定し,その成果を県内に発信してまいります。
     県といたしましては,これらの取り組みにより児童が英語になれ親しむとともに,英語でコミュニケーションを図ることができるようになることを目標に,英語教育の充実を図ってまいります。  次に,本県独自のプログラミング教育についてお答えいたします。  本年9月に,第30回国際情報オリンピックがつくば市で開催されます。世界85の国・地域から約340名の高校生が集まり,おのおののプログラミング能力を駆使して,よりすぐれたプログラムを競い合います。現代は,家電製品にもAIやIoTが導入されつつあることを考えますと,この大会の参加者が世の中を大きく変えていく可能性があることは想像にかたくありません。  学習指導要領も大きく変わり,小学校に「プログラミング的思考」が導入され,中学校では技術・家庭科のプログラミングに関する学習内容が倍増します。また,高等学校では,全ての生徒がプログラミングを学び,ビックデータの処理などのデータサイエンスについても触れるとされております。  プログラミングのような新たな学習内容を取り入れる場合は,議員御指摘のとおり,学校外の人材を活用することも有効な視点でございます。  そのため「プログラミング的思考」を育成するための授業づくりや教材の開発等に大学や民間企業等と連携するなどして,小学校,中学校,高等学校におけるプログラミング教育を充実させてまいります。  一方で,社会全体でプログラミングがもたらす恩恵を享受するためには,プログラミングに高い能力を有する者をロールモデルにするとともに,多くの者がプログラミングに触れることにより,裾野を広げることが重要になります。  そのため,子どもたちが継続的・発展的にプログラミングを学ぶことができるよう,新たに本県独自のプログラミング・エキスパート推進事業を実施してまいります。  この事業では,プログラミングの専門家の指導を受けながら,全国トップレベルのプログラミング能力を持つ中高生を育成する一方で,多くの生徒に対してプログラミング学習サービスを提供し,プログラミングの裾野を広げてまいります。いずれも,世の中で広く使われているプログラミング言語を採用し,時間や場所にとらわれずに学ぶことができるようインターネットを活用する予定です。  今後は,学校での学びとこの事業での学びを相互に連携させながら,子どもたちプログラミング能力を高めることで,自分で課題を見つけ,そしてそれを解決する力を持った人材となるよう,プログラミング教育の一層の充実を図ってまいります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 20 ◯山岡恒夫議長 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は午後2時20分を予定いたします。                     午後2時3分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後2時21分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 21 ◯常井洋治副議長 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので,御留意願います。  八島功男議員。                 〔6番八島功男議員登壇,拍手〕 22 ◯6番八島功男議員 公明党の八島功男でございます。  まずは,敬愛する菊池敏行前議長の御逝去を悼み,心からお悔やみ申し上げ,御冥福をお祈り申し上げます。  昨年12月,大井川知事が示された「新しい茨城づくり政策ビジョン」,その基本理念は「活力があり,県民が日本一幸せな県」です。2月5日には茨城県総合計画審議会が開催され,「県土のグランドデザイン」を展望し,知事の任期4年に即した新茨城県総合計画の策定,施策,取り組みが9月を目途に答申されることと存じております。今回提案された当初予算や組織改編は,知事がアグレッシブな前傾姿勢で新年度の県政運営にチャレンジする決意で,目標と施策を提出したと評価したいと思います。  さて,知事の言葉に興味深いものがあります。それは,「三振するなら長嶋茂雄」です。県政運営は,政策課題がストライクゾーンばかりに来るとは限りません。変化球もあります。ビーンボールは避けなければなりません。けがをしてしまいます。知事は,バッターとしてヒットを狙うのでしょうか,ホームランでしょうか,さらに,県政における得点とは何でしょうか。私は,知事には「見逃しの三振」だけは決してしてほしくない,こう申し上げたいと存じます。  それでは,通告に従い質問をさせていただきます。知事,部長の皆様には,多様で日本の縮図と言われる本県で,「誰一人として取り残さない茨城」「夢と希望が行き渡る茨城」との思いで,金メダル級の答弁をお願いいたします。  初めに,「活力があり,県民が日本一幸せな県」と県民幸福度について知事に伺います。  新しい茨城づくり政策ビジョンには,「チャレンジ イバラキ」「ビジョン アンド ポリシー」とも示されています。「ビジョン」は構想や展望であり,将来のあるべき姿です。「ポリシー」は,政策や方針,強い意志と捉えられます。言いかえれば,基本理念は,県民に日本一の幸せを実感していただくために,活力ある政策を展開するということにほかなりません。  知事に,「日本一幸せな県とは何か」と尋ねれば,「それは政策ビジョンに記載のとおりだ。『茨城に住みたい,住み続けたい』であり,『茨城の活力』」と話されることを承知の上で,私は,あえて知事の目指す「県民の幸せ」とは何かを質問したいと思います。  昨年5月,経済産業省次官・若手プロジェクトのレポート「不安な個人,立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」が,大きな話題を呼びました。急速に変化する社会についていけない制度,情報があふれ,何を信じてよいかわからない個人,このレポートは,「居場所のない定年後」「望んだものと違う人生の終末」「母子家庭の貧困」などの課題を提示し,「1人当たりのGDPが伸びても,かつてのような個人の幸せにはならない」と総括し,今,必要な政策は,「個人の幸福感や満足感をつぶさに観測しながら,個人の選択を支え,不安を軽減するための柔軟な制度設計」であると結論をしております。  そして,全世代型の社会保障制度や子どもへの教育投資の充実,意欲と能力のある個人が「公」の担い手となるを実現しようと提言をしております。これらの問題意識は,本県にとっても,県民の幸福度向上こそが政策であるとの重要な視座であると思われてなりません。  それでは,茨城県の幸福度ランキングは何番目でしょうか。日本総合研究所編の「2016年度版都道府県幸福度ランキング」で,本県の総合ランキングは26位,1人当たり県民所得が4位,子どもの運動能力は2位とトップクラスながら,文化と医療・福祉の分野が低位と指摘されております。そして,「地域における幸福」とは,「地域の多様性や豊かさを活かした幸福」と結論をしております。本県も,茨城県らしい県民の幸福度指標を研究し,県民に報告してはいかがでしょうか。県民の等身大の幸福度の向上が,日本一の幸せにつながると確信いたします。  「幸せ」とは何か,この正解は簡単ではありません。感じ方の違いと言ってしまえばそれまでです。私たち議員と議会は,県民の幸せの実現のために存在します。振り返ると,日本の幸せの世界観は,利己的な経済成長を目指す成長期から,利他的に世界への文化的貢献を目指す成熟期へと変化いたしました。  「他の人の喜びを自分の喜びに感じる」という「利他の幸福感」が大切です。そのためにも「自己実現と成長」「つながりと感謝」「前向きと楽観」「独立とマイペース」などの生き方を目指してまいりたい。そのような生き方を支援していきたい。私は,より多くの県民の「価値創造」が「協力・協働」を掛け算として「協創」の姿が茨城の県民幸福度向上の鍵だと考えます。  さて,大井川知事にとって「幸せの世界観」はいかなるものなのでしょうか。「活力があり,県民が日本一幸せな県」と県民幸福度の向上についての御所見を伺います。  次に,SDGsの理念と県総合計画の策定について知事に伺います。  SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略であります。持続可能な開発目標です。全ての国が行動する「普遍性」,誰一人取り残さない「包摂性」,全てのステークホルダーが役割を担う「参画型」,社会・経済・環境に統合的に取り組む「統合性」,定期的にフォローアップをする「透明性」の原則であり,「誰一人取り残さない」をメッセージに,持続可能で多様で包摂性のある社会の実現のための理念と実践であります。  国は,「SDGsアクションプラン2018」を公表し,SDGsの推進を通じて,創業や雇用の創出を実現し,少子高齢化やグローバル化の中で「豊かで活力ある未来像」を示していこうとしております。  地方自治体におけるSDGsは,「人口減少と地域経済縮小の克服」と「まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立」であり,SDGsの17目標は,本県が策定しようとしている県総合計画の骨格と一致するものであります。地域課題の見える化,ステークホルダーとの連帯,進捗管理のガバナンス,地域間の広域連携,そして,茨城県の経済と社会と環境をつなぐことは,「活力があり,県民が日本一幸せな県」の具体的な展開にほかなりません。  例えば,新しい挑戦1「科学技術を活用した新産業育成,中小企業の成長支援」は,SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」であります。新しい挑戦6「県民の命を守る地域医療・福祉の充実」は,SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」など20の政策の全てがSDGs目標と一致いたします。私は,今回策定する県総合計画の各項目の詳細もSDGsの目標と整合させ,SDGs目標アイコンを明示するなどして,SDGsの実践をすべきであると申し上げます。  また,SDGsの「人間の安全保障」の理念や,「誰一人取り残さない」とのメッセージは,私たち公明党の立党の精神とも一致するものです。SDGsは「活力があり,県民が日本一幸せな県」実現の理念であり,課題解決の施策展開です。  そこで,知事は,SDGsの理念をどのように捉え,県総合計画の策定に反映させていこうとするのか,御所見を伺います。  次に,名実ともに日本一を誇る茨城のレンコン生産のさらなる発展について伺います。  まず,レンコンの消費拡大への取り組みです。本県のレンコン出荷量は,平成28年は2万4,100トン,国内シェアは48.3%と圧倒的。しかしながら,平成25年の3万6,000トンをピークに減少し,現在は8.5%減少しております。  一方で,産出額は,平成25年以降上昇し,28年には158億円と日本一は揺るぎません。単価の上昇は,レンコンの市場価値の上昇であることは喜ばしいことですが,ここに甘んじているわけにはいきません。今こそレンコンの付加価値を高め,さらなる消費拡大に注力すべきだと考えます。  レンコンの消費拡大は,JAや生産組合の販売力が大きいことはもちろん,いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会,いばらき食と農のポータルサイトの発信力も欠かせません。このところ,レンコン料理関連のテレビ放映が増加傾向となり,消費者の食としてのレンコンへの興味が高まることはうれしいことです。  レンコンを今以上に食べていただくためにできることは何か。まずは,王道としてレンコン料理の開発とメニュー紹介が挙げられます。レンコン料理のレシピが多種多様,あらゆる食の可能性であってこそメニューになります。そして,それらの集大成としてレシピ集の発信をすべきだと思います。加えて,消費者のレンコン購入意欲を喚起するものであることが重要です。  先日,NHKで放映されたレンコン料理特番で,レンコンの節ごとの食感に適した料理の紹介をしただけでなく,節ごとに長男,次男,三男と呼んだことの印象が強く残りました。これがセールス手法だと思います。  さらに,レンコンの地産地消を強化すべきです。2014年から16年の3年平均の県庁所在地1世帯当たりのレンコンの消費量は,全国平均が1,062円,水戸市は1,000円ちょうど,しかし,加賀レンコンの産地金沢市は全国1位の1,975円と,大きく水をあけられております。購入数量では全国平均は1,272グラム,水戸市は1,421グラムと平均以上ですが,レンコンの有力産地佐賀市の2,694グラムと差があります。  日本一のレンコン産地でありながら,さほどレンコンが食べられていないのは驚きです。ぜひとも日本一のレンコン産地らしい,レンコン料理の価値を高めて,茨城県民がどこよりもレンコンが大好きになることが重要です。  先日,来県した友人に「日本一のレンコンの産地と言うけれど,レンコン料理専門店は地元にあるの」と尋ねられました。農業県茨城らしい地産地消の拠点が,茨城県の各地にあってよいと思われてなりません。加えて,レンコン全般のエキスパートであるレンコン博士やレンコンソムリエのような人材の育成が求められます。レンコンセールスの顔が消費拡大には必要です。  さらに,レンコンの栄養素と機能性分析に取り組んでいただきたい。中国では,レンコンの全ての部分に漢方の名がつくほど健康機能性が評価されております。レンコンに含まれる抗酸化成分は健康志向にマッチするものです。レンコンを食べることは健康に好影響があるということをアピールするのです。ともに,茨城のレンコン特有のシャキシャキ感など食味や食感,さらにうま味を研究し発信すべきです。  来年2019年は,1994年土浦市で開催された第1回レンコンサミットから25年の佳節に当たります。ぜひともレンコン消費拡大を企画して,例えば,大消費地東京で25周年記念のレンコンサミットを全国のレンコン事業関係者が集合して開催していただきたいと考えます。  消費拡大は,あらゆる知恵と工夫,日常の粘り強い取り組みが肝要です。ただいま数々の意見を申し上げましたが,県としてレンコンの消費拡大へどのように取り組んでいくのか,農林水産部長に伺います。  さて,日本一のレンコン産地を発展させるためには,幾つかの課題を解決していかなければなりません。これまでのレンコンの生産現場においては,育種家による品種改良と自然交配により,栽培品種の絞り込みが進まず,栽培が拡散した歴史があります。  そのような中,県は,平成25年からレンコンのブランド向上のために,レンコンの優良系統選抜に取り組んでまいりました。既に優良系統として4系統が決定し,本年から種バスの増殖が始まります。選抜されたレンコンは,品質,収量,収穫作業性にすぐれたものとされております。今後はこれら優良系統が,栽培する側からも,消費する側からも支持を受け,生産のメリットを感じられるような系統に育ち,栽培規模の拡大が図られていかなければなりません。そのため,私が強調したいのは,優良系統選抜されたレンコンの生産者やほ場に,例えば,出荷の際にシールを張ったり,チラシを入れたりするなどして,差別化をする必要があるということです。また,生産者が安心して優良系統を安定生産できるよう,県が責任をもってレンコンの種を保存し,供給していく必要もあります。これらの取り組みが本県レンコンのブランド化の第一歩になると大いに期待するものでございます。  次に,現在生産農家が待ち望んでいるレンコンの黒皮症対策です。レンコンの外観品質を損ね,商品性を低下させる強敵です。黒皮症の防除対策には,黒皮症発生種バスの持ち込みを防ぎ,早掘りで被害を軽減し,レンコン収穫後のほ場に残る茎や屑レンコン,ひげ根などの収穫残渣の処理や雑草処理の徹底,また,石灰窒素の散布など,十分な代かきも重要であります。同時に,農家の高齢化によりこれらの作業をする余裕のない農家がある現実を見据えて取り組んでいかなければなりません。そして,何よりも黒皮症対策となる化学農薬の開発が必要です。現在,農薬登録に向けた試験を実施中と聞きますが,早期の販売頒布を期待してやみません。  次に,レンコンを含む茨城県農産物の安全性等を評価する「茨城県GAP(農業生産工程管理)第三者確認制度」などGAPの推進であります。GAPは,茨城県農業が魅力ある産業として持続的に発展し,消費者の信頼を得る農業を行うために,農業生産活動に潜む数々のリスクを排除し,効率的で効果的な技術や仕組みを取り入れようとするものであります。  しかしながら,その実践は,高齢化の進む農業経営者にとって管理負担は重く,GAP認証の取得に当たっては,その費用も少額ではありません。  県のGAP第三者確認制度は,東京五輪・パラリンピックに茨城の食材を使ってもらうことを企画した制度であります。まずは,2020年までに,GAPの意義の啓蒙を初め,国際舞台での茨城県農産物の振興,さらにオリンピック終了後のGAPのきめ細やかな推進を今から検討すべきであると考えます。  ついては,レンコンの優良系統の作付拡大や黒皮症対策,GAPの推進など,レンコン産地の発展と課題解決にどのように取り組んでいくのか,農林水産部長に伺います。  次に,外国人技能実習新法の施行と新しい技能実習スキームについて伺います。  県内の外国人技能実習生は約1万2,000人,そのうち約6,000人が農業に従事していると言われ,土浦市地域にあっても,ほとんどのレンコン農家に実習生が複数名いる現実があります。技能実習生が,担い手不足の茨城農業の現場を支えているとの声がありますし,私の実感でもございます。  一方で,実習生の実習態様,農繁期農閑期と通年実習など,実習生の活用には理想と現実のミスマッチが指摘されます。ときに失踪に悩まされる場合もあります。  そんな中,昨年11月には,技能実習の適正な実施と実習生の保護を目的として新たに制定された,いわゆる技能実習法が本格施行されました。これにより,監理団体の許可制や実習実施者の届出制が導入されるなど,制度の厳格化とともに,一定の要件を満たし優良な監理団体や実習実施者と認められれば,受け入れ期間が最大3年から5年に延長可能となるなど,制度の拡充が図られました。  また,6次産業化への取り組みの拡大などを背景に,漬物の製造やカット野菜の加工など農産物の加工作業についても,新たに実習として行うことが認められました。  さらには,県が設置する第三者管理協議会がその実習内容に関与することを条件に,農協が実習実施者として技能実習生を受け入れて,請負契約を締結した複数の組合員のほ場で実習を行うことが可能になりました。  私は,技能実習法に基づく適正な実習の実施や,加工作業の実習及び第三者管理協議会が関与するスキームの活用などによる比較的柔軟な技能実習形態の実現を通して,実習生の農作業スキルの向上,さらには,スキルに応じた実習報酬の受け取りなとが実現するのではないかと期待しております。  ついては,茨城県の農業を支えるとも言われている外国人技能実習制度に関する新法の施行と新しい技能実習スキームを受けて,県は今後どのように対応していくのか,農林水産部長の所見を伺います。  次に,きめ細やかな福祉政策を推進する観点から,特に障害者に焦点を当てて伺います。  茨城型地域包括ケアシステムの特徴は,高齢者のみならず障害者,難病患者,子どもなどを含む全ての要援護者及び家族等に対して,隙間のない支援体制を構築しようとするものです。私は,現在の福祉政策は,介護保険という財源のある高齢者支援が中核にして大宗を占め,一方で障害者支援に不十分さを感じてなりません。そのような思いを持ちながら,障害者の「親なき後」への取り組みについて伺います。  「わが子を残して死ねない」-。障害のある子どもたちと暮らす保護者の一番の不安は,自分たちが亡くなった後に子どもたちは「自宅で生活できるのか」「誰が見守るのか」「一人になってしまうのか」という居住と生活の不安にほかなりません。そして,「親なき後」とは,親の死を指すだけでなく,親の加齢による老障介護の終わりも指します。特に,知的障害者は身体障害者,精神障害者に比べて親との同居率が約8割と高く,「親なき後」の影響が大きいと言えます。  だからこそ,住まいを包摂する「地域」が重要です。地域の重要性は,住民同士が互いに変化に気づき,寄り添い支え会うことであり,多様な社会資源が存在することであります。公的支援の「縦割り」を地域で「丸ごと」受け入れ,地域住民の意識も「他人事」から「私が事」に転換し,「地域共生社会」を構築してまいりたいと思います。  障害者支援は,「ノーマライゼーション」と「完全参加」の基本理念から,障害者は地域生活への移行方針となりました。第2期新いばらき障害者プランでは,「親なき後」の居住の選択肢である「入所施設」「グループホーム」「地域生活」についても,自立生活援助の新たなサービスを創設するなど,相談支援体制の充実を明記して,相談支援事業所の整備を急ぐべきです。  そして何よりも,市町村における地域生活支援拠点等の整備手法として,グループホーム・障害者支援施設・基幹相談支援センターを拠点とする「多機能拠点整備型」,または居住支援のための機能を備えた複数の事業所・機関による「面的整備型」により整備をするのか,それを明確にして市町村と強く連携していただきたいと思います。厚労省は,今後これらの支援拠点等の充実のための障害サービスの報酬改定をして政策誘導してくると聞いております。  ともあれ,「親なき後」の障害者や高齢者,難病患者,子どもたちがその一生を幸せに暮らすためにも,茨城型地域包括ケアの理念を実践してまいりたいと思います。  以上を踏まえて,障害者の「親なき後」の支援体制が図れる地域生活支援拠点等の整備への取り組みについて,保健福祉部長の所見を伺います。  次に,成年後見制度利用促進基本計画の策定について伺います。  成年後見制度は,認知症や知的障害者など判断能力が不十分な方々の「自己決定の尊重」「残存権利の活用」などを主旨として,本人の個別の状況に応じた柔軟かつ弾力的で利用しやすい制度でなければなりません。  2014年の都道府県ごとの後見開始の審判等の申し立て状況を全国平均で見ると,高齢者人口に占める申し立て件数の割合は0.104%,本県は0.062%であり,ワースト3の一角を占めるという残念な状況です。2016年の成年後見制度の利用者は約20万人であり,潜在的後見ニーズは約870万人と推計されております。今後,認知症高齢者がますます増加し,成年後見制度の活用も,後見人の需要も一層高まっていくことは間違いありません。  国は,成年後見制度利用促進基本計画を策定して,平成33年までに市町村ごとに基本計画を策定し,中核機関の設置を求めておりますが,本県内では基本計画と中核機関ともにゼロであると聞いております。市町村からは,従来の保健・医療・福祉の連携に加えて,司法を加えた地域連携ネットワークの構築など,基本計画の策定や中核機関の設置が難しいとの声があります。県の役割は,司法との連携の橋渡しや,市民後見人の育成など広域的なネットワークを構築することです。中でも,基本計画の策定は,地域のリソースを把握し,地域のニーズを取りまとめ,スキームづくりをするなど,市町村単独では困難な点もあり,地域格差も懸念される部分の解消です。  よって,私は,県がみずから「成年後見制度利用促進基本計画」のひな型を作成して市町村をリードすべきであると考えます。策定に当たる有識者とは誰か,策定のプロセスをどうするか,必要資料の考え方,基本的な文面などを市町村にオープンな形で県が策定していだたきたい。現状から見れば,県のリーダーシップが問われる課題であると考えます。  ついては,県がひな型となる「成年後見制度利用促進基本計画」を策定するなど,同計画を積極的に推進すべきだ考えますが,保健福祉部長の所見を伺います。  次に,不育症への取り組みについて伺います。  不育症とは,2回以上の流産を繰り返すことです。厚労省の調査では,年間3万人が発症し,妊娠した女性の16人に1人が不育症であると言われております。妊娠した喜びから一転して失う悲しみ,絶望が繰り返される。これは当事者でなければわからない,とても辛いことです。  この不育症も今では研究が進み,治療法が確立してまいりました。約40年前に不育症専門外来を慶応義塾大学婦人科に開設した牧野恒久先生によれば,年間約30万件と言われる自然流産の中にあって,治療の対象となる患者に有効な治療を施せば,年間5万3,000人の小さな命が救えるとのことであります。この数は体外受精で生まれてくる子どもの数より多いのです。  さて,本県の不育症への取り組みはいかがでありましょうか。不育症に対する理解は進んでいるでしょうか。私は,理解が進んでいるとは言えないと思います。まずは入り口論として,不妊症と不育症とは全く別であることを明確にすべきです。不妊症は,自然の状態で妊娠に至らないか,妊娠を一定期間維持できないものです。不育症は,妊娠はするけれども流産や死産などを繰り返し,結果として子どもを持てないことです。なお,晩婚化は,高齢妊娠につながり,流産のリスクを高めます。このような知識を一般に啓発する必要があるのではないでしょうか。  そして,不育症であることを一人で悩んで相談できずにいる方がおられます。不育症に悩む方,治療中の方が気軽に相談できるグループカウンセリングなどの開催が必要です。  さらに,私は,不育症治療費に対する助成事業に県として取り組むべきだと申し上げます。流産や死産を繰り返す場合には,まず医療機関で検査を受け原因を知っていただき,次の妊娠に備えることが大切です。  不育症への取り組みは,日本一,子どもを産み育てやすい茨城県をつくる重要な柱の1つとなります。ついては,不育症への取り組みについて保健福祉部長に伺います。  最後に,道路行政について伺います。  まず,国道6号牛久土浦バイパスの整備です。  圏央道が開通し,4車線化の展望も開けました。圏央道がさらに活用されるために重要なことは,圏央道インターチェンジとのアクセス道路の整備です。現在,牛久土浦バイパスは国道408号から学園東大通りまでの区間が開通しておりますが,土浦市中から土浦市中村西根までの2.7キロメートル区間は,事業化されているものの,まだ開通には至りません。この区間は,土浦市にとって,圏央道に直結するバイパスとして重要です。荒川沖周辺の渋滞緩和はもちろんのこと,さらなる物流の増加や観光を呼び込む基幹道路としての期待がかかります。さらに,牛久市内のバイパスの整備も圏央道活用に重要な区間です。  そこで,既に道路設計や一部用地買収が進捗していると考えますが,早期開通の強い要請に応えるべく,現在の牛久土浦バイパスの整備進捗状況と今後の見通しについて土木部長に伺います。  次に,国道354号土浦バイパスの早期4車線化です。  国道354号は,群馬県高崎市から茨城県鉾田市を結ぶ総延長約200キロメートルの,茨城県の県南地域を横断する交通と物流の大動脈であり,土浦協同病院にアクセスする緊急輸送道路であります。  現在,この国道354号の2車線区間は,朝晩とも長蛇の渋滞が激しく土浦市民ほかからの苦情が絶えません。現在,JR常磐線にかかる木田余跨線橋と若松跨道橋の工事が進捗していることは,現地を拝見して十分承知しているところです。しかしながら,毎朝晩の渋滞を見るにつけ,一日も早い4車線化を望むのは私だけではありません。  そこで,土浦市民の強い要望に応えるべく国道354号土浦バイパスの早期4車線化の見通しについて土木部長に伺います。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    23 ◯常井洋治副議長 八島功男議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 24 ◯大井川和彦知事 八島功男議員の御質問にお答えいたします。  新たな茨城県総合計画の策定についてお尋ねをいただきます。  まず,「活力があり,県民が日本一幸せな県」と県民幸福度の向上についてでございます。  私にとっての幸せの世界観でございますが,私のモットーは,挑戦する茨城県であり,個人個人がそれぞれ未来に希望を持ち,自身のなりたい自分像に向かって一歩でも二歩でも近づいていけるよう,挑戦を続けることができる世界を,私は幸せな世界であると考えています。  このような環境をつくっていくため,昨年12月に策定した政策ビジョンでお示しした「新しい豊かさ」,「新しい安心安全」,「新しい人財育成」,「新しい夢・希望」といった4つのチャレンジによる新しい茨城づくりを推し進めていくことが不可欠であると考えております。  このため,本年9月をめどに策定する新しい県総合計画においては,このような政策の方向性をしっかりと踏まえますとともに,「活力があり,県民が日本一幸せな県」を実感できる県づくりに向け,具体的な施策を盛り込んでまいりたいと考えております。  また,計画策定に当たりましては,これらの効果をしっかりと検証できる指標を設定し,PDCAサイクルを回すことにより,着実に政策を推進してまいります。  なお,議員御提案の茨城県らしい県民の幸福度指標を含め,具体的にどのような指標を設定すべきか,今後の総合計画審議会における議論を十分に踏まえ,検討を進めてまいります。  いずれにいたしましても,私が目指す「活力があり,日本一幸せな県」を県民の皆様とともに実感できる県となるよう,新しい茨城づくりに全力で取り組んでまいります。  次に,SDGsの理念と県総合計画の策定についてお答えいたします。  国連の持続可能な開発目標SDGsは,誰一人取り残さない社会の実現を目指し,経済,社会,環境をめぐる広範な課題に国際社会全体で統合的に取り組むものであり,グローバル社会の中で大きく飛躍を目指す本県にとっても,重要な視点であると捉えております。  国におきましては,SDGsの推進を通じて,豊かで活力ある未来像を世界に先駆けて示していくため,昨年12月にSDGsアクションプラン2018を策定し,生産性革命の実現や地方創生,働き方改革,女性の活躍の推進などに取り組むこととしており,これは,私が目指す「活力があり,県民が日本一幸せな県」の実現においても,留意すべきものであると受けとめております。  また,昨年12月に策定した新しい茨城づくり政策ビジョンに掲げた政策の方向性は,SDGsの考え方と共有できるものが数多くあるものと認識しており,このビジョンをベースに策定する新たな総合計画においても,SDGsの理念や考え方は大変参考になるものであると考えております。  これらを踏まえまして,私が目指す県民の皆様が「豊かさ」を享受し,「安心安全」な環境のもと,茨城の未来を担う「人財」が育まれ,将来にわたって「夢・希望」を描くことができる新しい茨城づくりに挑戦してまいりたいと考えております。  新たな総合計画の策定につきましては,県民や県議会の皆様の御意見や総合計画審議会における議論を踏まえ,「活力があり,県民が日本一幸せな県」の実現に向けた計画となるよう,しっかりと取り組んでまいります。 25 ◯常井洋治副議長 次に,櫛田農林水産部長。                   〔櫛田農林水産部長登壇〕 26 ◯櫛田農林水産部長 日本一のレンコン生産のさらなる発展についてお答えいたします。  まず,レンコンの消費拡大への取り組みについてでございます。  これまで,県では,百貨店や量販店等での試食販売,県内外飲食店でのメニューフェア等により,レンコンの消費拡大に取り組んでまいりました。  総務省の家計調査結果によりますと,平成29年のレンコンの購入数量は,10年前と比較して10%以上伸びておりますが,主要な根菜類と比べると低い状況となっており,より一層の消費拡大に向けた取り組みを行うことで,まだ伸び代はあるものと考えております。  そこで,具体的な取り組みとして,一流料理人によるレンコン料理のレシピ開発を進め,ウエブサイトで紹介することで,消費者へ広く食べ方の提案を行い,消費を喚起するほか,都内百貨店や高級レストランでも取り扱っていただけるよう営業活動を展開し,茨城県産レンコンのイメージアップを目指してまいります。  また,県,市町村,産地等で構成されるいばらきれんこん広域銘柄化推進協議会において,県内飲食店等でのレンコン料理フェアを開催するほか,集客力のあるイベント等でPRを行い,地産地消の取り組みを進めてまいります。  加えて,メディアに対して,直接,出荷量が多くなる秋から冬を中心にレンコンの紹介やイベントの情報提供を行うことで,テレビや新聞等で取り上げられる機会をふやしていくとともに,メディアからの要望に応えるため,レンコン等の写真素材を食と農のポータルサイトからダウンロードできるようにしてまいります。  さらに,消費者の健康志向に応え,レンコンの機能性成分を売りにした商品づくりに取り組むため,レンコンに含まれるポリフェノールに着目し,機能性を保持した一次加工方法やポリフェノールを多く含む節の部分の活用に関する研究に着手をしたところでございます。  また,レンコンの特性や効能等を消費者に対して広く情報発信していけるよう,例えば研究機関や大学の関係者,情報発信力のある著名人等の人材活用に努めるとともに,議員御提案のレンコンサミットの開催についても,主産県や産地と検討を進めてまいります。  県といたしましては,引き続き,関係機関や産地と協力しながらレンコンの消費拡大に取り組んでまいります。  次に,レンコン産地の発展と課題解決への取り組みについてでございます。  日本一のレンコン産地を発展させていくためには,高品質な商品を安定的に生産できる産地の体制強化が重要でございます。  このため,県産レンコン全体の評価をさらに高められるよう,収穫量や外観品質にすぐれる4つの系統を選抜し,平成30年度に県内の主要4産地で種バスを増殖し,平成31年度から生産者に提供できるよう準備を進めているところでございます。  今後,生産者への普及に当たっては,系統を明確に区別して種バスの増殖に取り組むよう,産地への指導,助言を行ってまいります。  あわせて,県農業総合センターに優良系統を維持管理する施設を新たに整備しますとともに,各系統の識別技術を開発し,種の保存に努め,種バスを安定的に供給できる体制づくりを進めてまいります。  また,作付拡大に当たっては,外観や食味のよさなどすぐれた特徴をアピールし,需要を拡大することが必要ですので,いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会が中心となり,統一したネーミングや各産地が共同で行う販売促進活動などについて検討を行ってまいります。  次に,黒皮症対策につきましては,各種対策を組み合わせた防除法の普及を図っているところですが,対策を徹底するため,今年度,県の関係機関による技術体系化チームを立ち上げ,生産者とともに夏場の石灰窒素施用の効果検証などを行っており,今後もこのチームを中心に重点的に取り組んでまいります。  なお,新しい農薬につきましては,現在,農薬メーカーや他県と協力して,登録に向けた試験を実施しているところであり,引き続き早期の登録に向けて取り組んでまいります。  さらに,GAPの推進につきましては,新たにグローバルGAP等の認証費用の助成を行いますとともに,昨年12月に運用開始した茨城県GAP第三者確認制度につきましては,東京オリンピックパラリンピックの開催期間が夏場であるため,品目と産地を絞って効果的に推進をしてまいります。  レンコンにつきましても,制度活用の意向を示している産地もございますので,県の制度の承認に向けた取り組みを支援をしてまいります。  なお,オリンピック終了後には,国際水準のGAP認証取得にスムーズに移行できるよう,支援を継続してまいりたいと考えてございます。  県としては,これらの取り組みにより,日本一のレンコン産地の発展を支援してまいります。  次に,外国人技能実習新法の施行と新しい技能実習チームについてでございます。  昨年11月に施行された外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律,いわゆる技能実習法では,監理団体に対する許可制など制度の厳格化とともに,優良な監理団体等には実習期間の延長を可能とするなどの制度の拡充がなされたことに加え,地域の実情に応じて必要な施策を推進するよう努めるという,地方公共団体の責務が定められたところでございます。  本年6月には,法に基づき,国の関係機関,地方公共団体及び外国人技能実習機構等で構成される地域協議会が,地方入国管理局の所管地域ごとに設置されることとなっており,本県も参画する予定となっております。  この地域協議会では,技能実習の適正化に向けた課題の共有や取り組み方針の協議が行われることとされておりますので,県としましては,本県の実情や現場からの要望等が,できる限り制度の運営に反映されるよう努めてまいります。  また,技能実習法の施行にあわせ,これまで認められていなかった農業分野の技能実習に加工作業が追加されるとともに,農協が実習実施者として農業分野の実習生を受け入れることで,農協と請負契約を締結した複数の農業経営体や農協の施設での実習が可能になる,新しいスキームが国から示されたところでございます。  このスキームを活用することにより,例えば,1人の実習生が春はレンコンの作付を,夏は他の農家でチンゲンサイなどの収穫を,秋から冬にかけてはレンコンの収穫や加工を行うといったことが可能となります。これにより,農業経営体には繁閑に応じた柔軟な実習生の受け入れが可能になるとともに,実習生にとっては,多様な農産物の生産や加工に携わることにより,幅広いスキルの向上が期待されます。  県においては,このスキームの活用に必要となる第三者管理協議会について,この3月中の設置を目指し,現在,準備作業を進めているところでございます。  さらに,実習生の意向などを十分に汲取り,より効果的な実習となるよう,JAグループと連携し,通訳兼相談員を2名この第三者管理協議会に配置するなど,相談体制の充実強化も図ってまいります。  県といたしましては,外国人技能実習制度の趣旨を踏まえ,適切な運用に努めるとともに,最大限の活用を図ってまいります。 27 ◯常井洋治副議長 次に,木庭保健福祉部長。                   〔木庭保健福祉部長登壇〕 28 ◯木庭保健福祉部長 きめ細かやかな福祉施策についてお答えいたします。  まず,障害者の親亡き後への取り組みについてでございます。  親亡き後でも,障害のある方が地域で安心して生活するためには,地域全体で支える仕組みを構築することが重要だと考えております。  地域での相談支援体制の充実につきまして,県におきましては,担い手となる相談支援専門員の養成研修を開催し,相談支援事業所の拡充を図っているところです。  さらに,来年度からは,月2回以上ひとり暮らしの障害のある方を訪問し,現況確認や相談対応などを行う自立生活援助サービスが新たに創設されますので,事業者説明会などで,サービス提供に取り組んでいただけるよう促すこととしております。  また,市町村においては,地域生活支援拠点等を整備することにより,24時間365日の相談対応や緊急時の受け入れ対応ができるサービス提供体制の構築を図ることが求められております。  このため,県においては,市町村に対し,他県における先進事例の紹介や助言などにより,地域生活支援拠点等の整備に向けた働きかけを行っているところです。  その整備手法としては,グループホームや障害者支援施設等を拠点とする多機能拠点整備型や既存事業所などの連携による面的整備型がありますが,地域における各事業所間の連携体制の構築状況がさまざまであることなどにより,4分の3の市町村において,具体的な方針が決まっていない状況にございます。  今後,地域の実情に応じた地域生活支援拠点等の整備について,市町村を支援していくとともに,広域での体制構築を目指す地域については,県が率先して調整を進めてまいります。  県といたしましては,現在策定中の第2期新いばらき障害者プランにおいても,相談支援体制や地域生活支援拠点等の整備などをしっかりと盛り込み,全ての要援護者を地域全体で支える茨城型地域包括ケアシステムの理念に基づき,市町村と密に連携し,障害のある方が親亡き後も地域で安心して暮らせる支援体制の充実に努めてまいります。  次に,成年後見制度利用促進基本計画の策定についてでございます。  県におきましては,近年増加ている認知症やひとり暮らしの高齢者に対して,市町村が充実した生活支援サービスを提供できるよう支援をしているところです。また,社会福祉協議会を通じて,判断能力の低下が比較的軽度な方の日常的な金銭管理等の援助を行う日常生活自立支援事業への支援をも行っております。  一方,親亡き後の障害者の生活を守る上でも,また,高齢化により認知症高齢者がますます増加することが予測されている点からも,契約等法律行為を援助する成年後見制度の重要性は,高いものと認識しております。  国においては,平成28年に成年後見制度利用促進法を制定し,市町村は,地域連携ネットワークづくりなど制度の利用促進に関する事項を盛り込んだ基本的な計画を定めることとされました。  法の制定を受けて,県では,昨年7月,市町村の担当者を対象に,基本計画の策定に向けた研修会を開催したほか,昨年12月には,他都県の先進的な事例を紹介するセミナーを開催し,その中で成年後見サポートセンターを設置した行政書士会による説明の場を設けるなど,さまざまな支援を行ってきたところです。  しかし,市町村においては,成年後見制度の重要性を認識しつつも,家庭裁判所や弁護士会など従来かかわりの少なかった法曹関係者との調整が必要となることもあり,基本計画の策定に至っていないのが実情です。  そこで,議員御提案のとおり,今後,県では,市町村が策定することとされている基本計画のひな形を作成するとともに,司法や福祉の専門家等関係者間の地域連携ネットワークの構築や地域における連携の推進役となる中核機関の設置などについて,市町村に寄り添った支援に努めてまいります。  また,高齢者や障害者などの権利を擁護する上で必要がある場合には,本人や親族のほか,市町村長が成年後見の申し立てをすることも可能とされております。このような市町村による権利擁護の取り組みを促進する上では,法律などに関する専門的な助言が必要となりますので,県では,来年度から,弁護士や社会福祉士等の専門職チームを設置し,市町村に対して支援を行っていくこととしております。  県といたしましては,高齢者や障害者など支援を必要とする全ての人が安心して日常生活を送ることができるよう,市町村と一体となって取り組んでまいります。  次に,不育症支援への取り組みについてでございます。  いわゆる不育症とは,流産,死産,早期の新生児死亡を繰り返すことにより,結果的に子どもを持てない状態を言います。不育症であっても,原因疾患に対する適切な治療により子どもが持てる場合や,特別な原因がない場合もあります。  このような不育症に関する情報は,一般には余り知られておらず,流産や死産を体験した悲しみや今後も子どもを持てないのではないかという不安を抱えながら,誰にも相談できずに一人で悩んでいる方が多いという課題も指摘されております。  このため,県といたしましては,不育症に関する普及啓発を行うとともに,不育症に悩む方に対して相談対応等を行っていく必要があると考えております。  まず,普及啓発につきましては,ホームページやパンフレットを活用し,不育症に関する正しい情報を周知いたしますとともに,不妊に関する市民公開講座においても,テーマの一つとして不育症を取り上げてまいります。  次に,不育症に悩む方への相談対応につきましては,現在,不妊専門相談センターにおいて,専門の医師,助産師等が個別に対応しておりますが,不育症に関する相談件数はごく少数にとどまっております。このため,改めて不育症に関しても相談できる旨を相談センターのリーフレットに記載するなど,広く周知をしてまいります。  また,流産等を繰り返している方やその御家族の不安感や孤立感を解消するため,相談センターにおいて,同じ悩みを持つ方同士が気軽に参加できるようなグループカウンセリングの実施についても検討してまいります。  なお,現在,県内の10市町村において医療保険適用外の不育症の検査費用や治療費の助成を実施しているほか,今後の実施を検討している市町村もあると聞いております。  県といたしましては,不育症に悩む方や専門家の意見を参考にし,国の動向も注視しつつ,不育症支援の充実に取り組んでまいります。 29 ◯常井洋治副議長 次に,富永土木部長。                    〔富永土木部長登壇〕 30 ◯富永土木部長 道路行政についてお答えいたします。  まず,国道6号牛久土浦バイパスの整備についてでございます。  国道6号は,関東と東北を結ぶ大動脈であり,地域間の連携や経済活動を支えるとともに,地域住民が安全で快適な生活を送る上で大きな役割を担うなど,産業・生活の両面において必要不可欠な主要幹線道路でございます。  しかしながら,荒川沖駅周辺などにおいて,朝夕の通勤時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生し,経済活動や住民の日常生活に支障を来している状況でございます。  このため,国では,渋滞の緩和や圏央道へのアクセス強化などを図るため,直轄事業により牛久土浦バイパスの整備を進めてきております。  このバイパスは,牛久市遠山町から土浦市中まで全体延長が約15.3キロメートルと長いことから,国では,まず,国道408号から学園東大通りまでの約3.9キロメートル区間を事業化し,平成23年度までに暫定2車線で段階的に開通させてきたところでございます。  また,国では,既に開通した区間に接続する北側の学園東大通りから国道6号土浦バイパスに至る約2.7キロメートル区間と,南側の国道408号から県道谷田部牛久線までの約1.9キロメートル区間,合わせて約4.6キロメートルの整備について,平成26年度に着手したところでございます。  これらの区間を整備することにより,既に全線が4車線で開通した土浦バイパスと一体となって,国道6号現道の渋滞緩和や圏央道へのアクセス強化に大きく寄与することから,できる限り早く用地を取得し,道路の工事に着手することが必要でございます。  このため,国におきましては,平成28年度から,茨城県土地開発公社を活用した用地先行取得も併用しながら,鋭意,用地取得を進めております。  さらに,県道谷田部牛久線から南側の約6.8キロメートル区間について,国は,平成20年度に,牛久市遠山町の国道6号現道との接続部から牛久市道城中田宮線までの約1.3キロメートル区間を事業化し,整備を進めているところでございます。残る約5.5キロメートル区間につきましては,いまだ事業化されていないことから,昨年11月及び本年2月に,地元関係市で構成する建設促進期成同盟会などにより,事業中区間の早急な整備とあわせて,この区間の早期事業化について,国への要望が実施されたところでございます。  県といたしましても,牛久土浦バイパスを早期に全線供用することが極めて重要であると考えておりますことから,引き続き,地元と一体となって,国の事業に積極的に協力するとともに,未事業化区間の早期事業化を強く働きかけてまいります。  次に,国道354号土浦バイパスの早期4車線化についてでございます。  土浦バイパスにつきましては,土浦市街地の渋滞緩和や常磐道土浦北インターチェンジへのアクセス向上を図るため,土浦市若松町から手野町まで,延長約5.8キロメートルの整備を進めております。  このうち,木田余跨線橋東交差点から東側につきましては,既におおつ野団地入口までの約2.9キロメートルを4車線で供用しているほか,これに接続する,さらに東側の現道区間約500メートルの歩道整備が完了しております。  残る木田余跨線橋東交差点から西側の約2.4キロメートル区間につきましても,引き続き4車線化を進めており,これまでに,地権者の皆様の御協力のもと,必要な事業用地を全て取得できましたことから,道路改良舗装工事や若松跨道橋及び木田余跨線橋の橋梁工事を実施しているところでございます。  まず,若松跨道橋につきましては,本年1月までに全ての下部工が完成したことから,現在,上部工の製作を進めており,来年度にはその架設工事に着手する予定でございます。  次に,JR常磐線をまたぐ木田余跨線橋につきましては,今年度,橋台2基の工事を進めており,今月中に完成する見込みとなっております。
     なお,鉄道用地に係る部分の橋梁工事につきましては,JR東日本に施行を委託しており,来年度JR東日本が橋脚2基の工事を行い,その後,上部工を架設する計画でございます。  県といたしましては,今後も整備予算の確保に努め,JR東日本など関係機関と十分に連携しながら,バイパス区間の4車線化が早期に完成するよう,引き続き事業を推進してまいります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 31 ◯常井洋治副議長 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は午後3時35分を予定いたします。                     午後3時20分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後3時36分開議 32 ◯山岡恒夫議長 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので,御留意願います。  鈴木将議員。                  〔27番鈴木将議員登壇,拍手〕 33 ◯27番鈴木将議員 いばらき自民党の鈴木将でございます。  まず,質問に先立ちまして,去る2月26日御逝去された前議長菊池敏行先生に,心から哀悼の意を表します。大変お世話になったことに対しましても感謝申し上げますとともに,心から御冥福をお祈り申し上げます。最後の最後まで,地域の代表として,議長として振る舞われたそのお姿を深く胸に刻みまして,私も,しっかりとこの職責を追求してまいりたいと思っております。  本日は,通算で8度目の一般質問の登壇となりました。御配慮いただいた先輩議員,同僚議員に心から感謝を申し上げます。また,本日も傍聴にいらしていただいている皆様方を初め,地元つくばでお支えをいただいている多くの方々に,あわせてこの場をおかりして心から感謝を申し上げます。  本日は,とりわけ地域の生活に密着した課題について選別をいたしまして,順次,質問をしてまいります。知事初め,関係部長,教育長におかれまては,この意を酌んでいただいて,前向きで明快なる答弁を求めるところでございます。  初めに,戦略的なPRの推進について伺います。  先日,代表質問でも関連する質問がございました。知事が県政の思いを発信することは,県民と気持ちのベクトルを合わせ,新しい茨城づくりをともに挑戦する上で,大変重要でありますので,改めて質問をいたします。  平成29年県政世論調査結果では,本県に愛着を持っている県民の割合は,平成26年度の90.2%と比べ,直近3年間は8割台前半にとどまっているなど,本県の魅力,実力が県内外で十分に発揮をされていない,そういった状況にございます。  一方,民間調査会社による都道府県魅力度ランキングでは,5年連続の最下位になった今,本県の魅力発信の機運はこれまで以上に高まっており,急浮上へのお膳立てが調ったと私は理解をしております。  本県は,少子高齢化やグローバル化等を背景に,国内外の競争が激しさを増す中,観光誘客,県産品の販売,企業誘致,移住・定住の促進,医師確保等の重要課題に対し,成果を上げていく必要があります。  このため,全ての県民が愛着と誇りを持ち,県内外の人々が魅力を感じ,信頼する,選んでもらえる茨城を実現していくことは,喫緊の課題であり,本県ならではの付加価値の創出と,多様な魅力の戦略的なPRに力を入れて取り組むべきであると考えております。  県では,昨年12月に発表した新しい茨城づくり政策ビジョンにおいて,政策の基本方向の一つとして,魅力度No.1プロジェクトを掲げており,私は,その意欲的な姿勢を高く評価いたしております。また,本格始動した大井川知事の最初の当初予算には,新たな付加価値を期待できる施策が織り込まれております。  先ほどの重要課題の中で,1つだけ例を挙げますと,筑波山や霞ヶ浦エリアの観光連携の促進は,本県の観光を牽引する拠点のブラッシュアップにつながるものであり,スクラップ・アンド・ビルドの成果の一つとして評価をしております。  今後は,多くの人に,茨城は変わったな,いいな,茨城を選ぼう,何か茨城がすごいことになっているぞと思っていただくことが重要ですが,そのためには戦略的なPRが必要であります。  情報の伝達媒体が多様化し,情報が氾濫している現代社会においては,やみくもに発信しても十分な成果は得られません。まさに選択と集中が必要であります。  県では,テレビ等のマスメディアやいばキラTV,SNSといったインターネットメディアや,県政情報紙「ひばり」等の県独自の広報媒体など,さまざまな媒体を活用してPRを行っていただいております。これらの特徴に応じ,ターゲットに合わせて戦略的に活用していくことが効果的であると考えます。  私は,決算特別委員会でも指摘をいたしましたが,在京テレビキー局を活用した本県のPR番組の刷新も,今まさに必要であると思っております。  また,知事の情報発信の影響は非常に大きいと考えており,大井川知事には,全国知事の中にも断トツトップの情報発信力を目指す意気込みで取り組んでいただくことを,大いに期待をいたしております。  さらに,過日,本県出身のお笑いコンビ「カミナリ」が,茨城の魅力を全国にPRするいばらき大使に就任をされ,早速,全国ネットのイベント等で大使としての活動もされているようであります。  さまざまな分野で影響力がある180人以上にも及ぶいばらき大使の方々に,委嘱直後のPR活動にとどまらず,継続して最大限に力を発揮していただくことも重要であります。加えて,県民を初め,さまざまな方の声をきちんと受信し,反映をさせていく双方向のやりとりも欠かせないと思っております。  以上を踏まえ,今後,本県の魅力の戦略的なPRにどのように取り組んでいくのか,大井川知事に御所見を伺います。  次に,イノシシの被害防止対策強化について伺います。  近年は,イノシシの生息地の被害が県南地域や鹿行地域の平地部にも広がっております。私の地元においても,筑波山の裾野の住民の方々は,多くのイノシシが民家の近くに生息していることに危険を感じ,不安を抱えながら生活を余儀なくされております。  そのため,私は,4年前に私自身わな猟の免許を取得した経験も踏まえ,これまで一般質問において,何度もイノシシの被害の防止対策の強化を訴えてまいりました。  しかしながら,去る1月に,つくば市ではイノシシによる人身への危害が発生をしてしまいました。被害に遭われました方々に,心よりお見舞いを申し上げます。2人の方がけがをされ,お一人は指をかまれて切断をされるという重傷を負われました。大変痛ましい事故であり,襲われたときの恐怖や苦痛,お気持ちを思うとき,大変胸が痛みます。  また,狩猟中ではありますが,石岡市でも,1人の方がイノシシから危害を加えられる事故も発生しております。  今後,このようなことが起こることがないよう,市町村や猟友会等の関係者と連携し,一体となって対策を強化していくことが急務であります。  県では,茨城県イノシシ管理計画を策定し,個体数管理等に取り組んでいただいておりますが,これまでは,目に見える農作物被害対策という側面が主であったと感じております。  しかしながら,全国で狩猟中の事故を除いても,昨年度は59人,今年度は12月末までの時点で51人の方がイノシシに襲われたと伺っております。本県でも,住民や観光客の方々がイノシシに遭遇する機会の増加が懸念をされており,遭遇を念頭に置いた被害防止対策を早急に進める必要があります。  まずは,イノシシに遭遇した際に,みずからを守ることができるよう,適切な対処方法の周知が重要であります。イノシシの生態に詳しい専門家の知見も十分に得ながら,正しい情報がきちんと届くように,さまざまな方法を活用し,積極的に情報発信や注意喚起をしていくべきであります。  また,狩猟の際に逃げたイノシシに遭遇すると,通常の場合よりも危険性が高いと言われております。捕獲機会が増加をしている中,危険予防対策として,許可捕獲の際に行われている地域住民への事前周知の取り組みを一般の狩猟の場合にも拡大することも必要だと考えております。  逃げたイノシシが人を襲うような事故が発生した場合,人身の被害に加えて,県民の狩猟に対するイメージや理解が損なわれるおそれがあります。イノシシの適切な管理に全力を挙げて取り組んでいく必要がある今,水を差すようなことがあってはなりません。  そこで,本年1月に県内で発生したイノシシによる人身への危害を踏まえた今後のイノシシの被害防止対策について,生活環境部長に伺います。  次に,子ども食堂の拡大促進に向けた取り組みについて伺います。  NPO法人やボランティア団体等が,子ども等に対し,無料または低額で食事を提供する子ども食堂の活動が,全国的に広がっております。  本県では,昨年10月時点で,県が把握している範囲では,23市町村の37カ所で開設をされていると伺っております。  子ども食堂は,ひとり親家庭や共働き家庭などの子どもが一人で食事をとる「孤食」の改善,経済的な理由などで十分食べられない子どもへの食事面,栄養面への支援,地域の交流促進など,さまざまな目的で運営されております。対象者を経済的に困窮している家庭の子どもに限定するかどうかも運営者によって異なるなど,さまざまな形で広がっております。  私は,子ども食堂は,子どもたちやその保護者の居場所としても重要な存在になると期待をしております。地域の子どもの見守りの場や保護者の孤立感や負担感を軽減する場,子どもたちの自己肯定感の醸成や社会性の習得等のさまざまな学びの場など,家庭,学校に次ぐ居場所として地域に欠かせない存在になると考えます。子ども食堂を子育て支援の社会インフラとして県内全域に広げ,子育て環境の整備を図るとともに,子どもたちを社会全体で支える機運の醸成を図るべきであります。  一方,運営されている方々などからは,課題も聞かれるところであります。  まず,子ども食堂の安定的な運営のために,安定的な食材の確保や場所の提供など事業所や地域住民の協力が欠かせません。しかしながら,子ども食堂を支援する方を初め,地域の関係者の間で必要な情報を共有できるネットワークづくりが十分ではないという声が聞かれます。また,子ども食堂を必要とする家庭に情報が十分届いていないという声も聞かれております。そのため,県は,実態の把握や普及啓発,ネットワークづくりの支援に取り組むべきであると考えます。  加えて,子ども食堂の安心・安全の確保も必要であります。特に食の安全・安心について関心が高まっている中,子ども食堂向けの衛生管理の研修の実施や情報発信など,県の積極的な支援が必要だとも考えます。  そこで,地域において子どもや子育てを支える取り組みとして重要な役割が期待される子ども食堂の拡大促進に向けて,積極的に取り組むべきと考えますが,保健福祉部長の御所見を伺います。  次に,県産米のブランド力の強化について伺います。  我が国の年間1人当たりの米の消費量は,昭和37年度の118.3キログラムをピークに減少を続け,平成28年度は54.4キログラムと半減をしております。  食生活の変化や高齢化による消費量の減少と人口減少を背景に,米の需要量は,全国ベースで毎年約8万トンずつ減少しており,今後も厳しい状況が懸念をされます。また,産地の努力を下支えしていた米の直接支払交付金が30年産から廃止になるため,私の地元でも経営に対する不安の声が聞かれるところであります。  産地を取り巻く厳しい状況に鑑み,農家の経営安定化に向けた,もうかる農業の実現が喫緊の課題であります。そのため,昨年の第3回定例会で質問をいたしました農地の基盤整備や集約化に加え,付加価値を高めるブランド化を強力に推進する必要があります。  本県には,地元の筑波山麓より流れ出る良質な水より育まれる筑波北条米,小田北条米,小田宝篋米,常陸小田米を初め,農家の方々が情熱とプライドを持って生産をしているさまざまな地域オリジナル米があります。しかしながら,私は,県産米に対する消費者の知名度やブランドイメージは高いとは言えない状況にあると感じております。  本県のコシヒカリの生産量は,新潟県に次いで全国2位でありますが,本年1月までの平成29年産米の相対取引価格は,60キログラム当たりで1万5,197円と,全銘柄平均の1万5,538円をやや下回っている状況であります。  さらには,テレビCMで話題になっている北海道のゆめぴりかは1万7,000円台,山形のつや姫は1万8,000円台,魚沼産コシヒカリに至っては2万円を超えているなど,他県のブランド米との産地間競争が厳しさを増す中,まずは,県のオリジナル品種「ふくまる」を県産米のブランド化を牽引するトップブランドに育てていくことが非常に重要だと考えます。  ふくまるは,大粒で歯応えや味がよく,冷めても硬くなりにくいすぐれた特徴があります。さらに,コシヒカリよりも収量が多く見込め,収穫期が1週間程度早いことから,作業時期を分散できるメリットもあります。これまでは外食用や米穀専門店での販売が大半であり,本格流通に向けて,生産量の拡大や販売促進等が課題であります。  そこで,県産米のブランド力の強化に向けて,ふくまるのトップブランド化にどのように取り組んでいくのか,農林水産部長に伺います。  次に,日本一の芝産地の持続的な発展を支える取り組みについて伺います。  本県は,昭和48年から,40年以上にわたり日本一の芝産地であります。直近の平成27年の作付面積は,全国の55%を占める3,100ヘクタールと圧倒的なシェアを誇っており,出荷額も日本一の33億円となっております。  また,芝は,本県農家の約4%に当たる3,200戸の生産農家や,販売者,流通,芝の管理を行う方など多くの方がかかわっているとともに,県民に身近な緑を創出し,温暖化対策の上でも,本県の重要産業の一つであることは言うまでもありません。  その中でも,つくば市の作付面積は本県の8割以上を占めておると伺っており,まさにつくばの芝生産は日本一であると言えます。  しかしながら,全国の芝の生産量は,バブル崩壊によるゴルフ場建設の減少等により平成7年をピークに減少し,平成27年にはピーク時の半分程度となるなど,厳しい局面に立たされております。  県内産地の持続的な発展を支えるためには,販路拡大や利用促進といった需要面と生産対策の両面で対策を進めることが必要であり,特に産地からは生産対策の強い要望が寄せられております。  現在,生産現場では,芝の野焼き制限が進み,芝刈り時に発生する刈り芝の処理が負担になっており,喫緊の課題であります。地元ではさまざま検討しているところでありますが,活用には技術的な問題もあり,県の積極的な関与を望むところであります。  また,芝の栽培においては,特に収穫作業に労働力が集中しております。高齢化が進み,県内芝農家が平成17年から10年間で4分の3にまで減少する中,耕作放棄地の増加も懸念をされるところであります。作業の分担,新たな機械の導入による省力化や農地の集積を進め,生産性の向上や担い手の確保を図ることが必要であります。加えて,土づくりや病害虫の防除なども課題となっております。  私は,こうした課題の解決に当たっては,県,生産者,販売者,メーカー,大学,研究機関等の関係者が連携した取り組みが必要だと思っております。その上で,生産から販売までの課題を解決するモデル事例の形成など効果的な取り組みを進め,イノベーションを創出すべきであります。  そこで,本県の芝産地の持続的な発展を支えるためどのように取り組んでいくのか,農林水産部長に伺います。  次に,河川の維持管理の推進について伺います。  県の公共事業予算が平成8年度をピークに減少する中,河川の維持管理予算も減少傾向にあります。  このような中,県内の多くの河川で,河道内に土砂が堆積し,草木が繁茂している状況であり,地元の方々からは,維持管理の強化の要望を多くいただいているところであります。  河道内に堆積した土砂は,河道の断面積を狭め,洪水等による水害の危険性を高めます。また,河道内の樹木は,大雨などの際に流れの支障となって氾濫につながったり,ごみの不法投棄の温床になるおそれがあります。このため,河道内の土砂の撤去や樹木の伐採等を進め,浸水被害のリスクを軽減するとともに,良好な景観を維持することは,県民の安全・安心を確保する上で大変重要であります。  県では,平成28年度から3カ年かけて,家屋が隣接する河川に堆積した土砂の撤去や繁茂した樹木の伐採などを緊急的,集中的に実施する河川緊急減災対策事業を実施していると伺っております。  河川の維持管理は,防災対策にとっても喫緊の課題であり,我が会派では,県民の負託に応えるため,昨年の第1回定例会において,本事業も含めた予算の増額修正案を提案し,全会一致で可決されたところであります。  そこで,まず,河川緊急減災対策事業の進捗状況と今後の見通しについて,土木部長に伺います。  また,本事業終了後も継続的に河川の維持管理に取り組むことも必要であります。しかし,限られた予算で全てを県が対応することは困難でもあり,民間の力を生かした取り組みが必要でもあると考えます。  例えば,隣の栃木県では,今年度,河道内の樹木を県にかわって民間企業が伐採をする,公募型樹木伐採の取り組みを始めたと伺っております。これは,県にとっては伐採費用を軽減でき,企業等は伐採した木材を利用できる,双方にメリットが期待できるものであります。  栃木県によると,想定より多い44件の申し込みがあり,「まきの調達に苦労しており,この取り組みを継続してほしい」などといった声も寄せられていると伺っております。また,栃木県では,県にかわり民間企業が土砂を除去する取り組みにより,4年間で約7億円の費用削減につなげております。  そこで,このような民間活力を生かした取り組みも含め,あらゆる方策により河川の維持管理を推進し,県民の安全・安心の確保をすべきと考えますが,あわせて土木部長の御所見を伺います。  なお,安全で質の高い河川管理施設の必要性は言うまでもありませんが,私の地元では,県が桜川に設置した小田堰がたびたび故障し,管理者である土地改良区では,たび重なる数百万円にも及ぶ修繕費用が重い負担となっているため,関係部局とも連携して,地元への説明等の丁寧な対応を要望いたします。  あわせて,ICTを初め,技術が日進月歩で発展をしておりますので,こうした技術も活用しながら,安全で質の高い河川管理施設を整備していただくように要望いたします。  次に,都市計画道路上野花室線の整備について伺います。  私の地元つくば駅の北東約3キロに位置する中根・金田台地区においては,地元住民,つくば市,UR都市機構の3者共同で豊かな自然環境と調和したまちづくりに取り組んでおります。  本路線は,その中根・金田台地区を南北に走り,区域内及び近隣の市街地を結ぶ道路として計画をされており,地区内外の利便性向上を図る上で大変重要な道路であります。  しかしながら,平成11年の都市計画決定以降,本路線のうち,地区内区間ではUR都市機構が事業に着手する一方で,県が整備を予定している南側の地区外区間では事業に着手されておらず,地元では早期着手が強く望まれております。  当地区では,土浦方面への玄関口に位置しており,平成27年にさくら大橋を含む県道藤沢荒川沖線バイパスが供用され,常磐道土浦北インターチェンジとのアクセス向上等により,朝夕の通勤通学等には混雑する箇所があるなど,円滑な交通に支障を来しております。今後,計画人口8,000人に及ぶ当地区の住宅販売が進むことにより,慢性的な渋滞の発生が懸念されております。  そのため,地区外区間の整備により,早期にこの先にある4車線の土浦境線に接続することが混雑を解消し,利便性の向上を図る極めて効果的な方策であると,私も地元の方々も考えております。  そこで,早期事業着手すべきと思いますが,土木部長の御所見を伺います。  次に,県道赤浜谷田部線の整備について伺います。  本路線は,小貝川に沿ってつくば市の西部地域を南北に走り,同市谷田部地内と筑西市赤浜地内を結ぶ地域住民の日常生活を支える重要な道路であります。  県が平成5年度よりバイパス整備を進めてきたつくば市吉沼地内から上郷地内までの2.1キロメートル区間については,平成28年に全線供用され,交通の安全の確保が図られるなど非常に大きな効果があり,地元を代表し,感謝を申し上げるところであります。  一方,供用区間から赤浜に向かう北側の地区,吉沼や安食地区についても,幅員が狭く,歩道もない蛇行した道路であり,通勤や通学などに大変支障を来しているところであります。  地元では,長年,整備を望む声が多く聞かれているところであり,南側の地区の整備が完了した今こそ,北側の地区の事業化に向けて積極的に取り組むべきと考えます。土木部長の御所見を伺います。  最後に,県立高校入試におけるインフルエンザ罹患者等の受検機会の確保について伺います。  本日は,本県県立高校入試が行われており,ちょうど試験が終了したころかと思いますが,受検生がこれまで培ってきた最大限の力を発揮できたことを強く願っております。
     実力を発揮する上で,万全な体調で臨むことが重要であることは言うまでもありませんが,例年12月から3月ごろにかけてインフルエンザが流行するため,受検前にインフルエンザ等にかかり,体調を崩してしまう生徒も多くおられます。  このため,平成28年10月に文部科学省は,教育委員会等に対し,インフルエンザ罹患者等に対する受検機会の十分な確保について,特段の配慮を要請しております。  こうした中,先月の新聞報道によりますと,インフルエンザなどで公立高校入試を受けられなかった生徒を対象にした追試を導入する動きが広まっております。公立高校入試を実施している47都道府県と19政令市の計66自治体のうち,ことしは29都府県市が導入し,来年以降の導入予定を含めると,65%の自治体に及んでおります。また,制度は異なりますが,大学入試センター試験では既に追試を行っております。  しかし,残念ながら,本県は追試を行う自治体には含まれておらず,インフルエンザにかかった生徒は,当日別室での受検を強いられます。昨年は,インフルエンザにより60人が当日別室で受検をし,2人が欠席をしたと伺っております。  追試の導入に当たっては,公平性の担保や日程の調整という課題があることは重々承知をしております。しかしながら,高熱でもうろうとしながら無理をして試験に臨んで実力が発揮されるとも思いません。体調を崩したまま受検し,思うような結果が出なかった場合の子どもたちの悲しみを思うと,やりきれない思いがいたします。十四,五歳の子どもたちにとって,余りにも酷だと思い,チャレンジできる機会の確保に向けて,追試導入等の制度の見直しを望むところであります。加えて,教員の健康面においても,別室受検の監督は好ましい労働環境ではないとも考えます。  そこで,県立高校入試において,インフルエンザなどで体調を崩している生徒に対し,追試の導入等の受検機会の十分な確保に向けた積極的な対応が必要だと考えますが,教育長の御所見を伺います。  以上で,私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 34 ◯山岡恒夫議長 鈴木将議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 35 ◯大井川和彦知事 鈴木将議員の御質問にお答えいたします。  初めに,戦略的なPRの推進についてお尋ねをいただきました。  私は,民間調査会社における魅力度ランキングの結果については,県民の実感とはギャップがあると感じておりますが,本県の魅力を改めて見詰め直す契機であるとも考えており,全国の方に本県の豊かさや暮らしやすさを初めとするさまざまな魅力が十分に伝わるよう,戦略的なPRを推進していく必要があると考えております。  このため,昨年12月に策定した新しい茨城づくり政策ビジョンでは,魅力度No.1プロジェクトを挑戦する政策の一つとして掲げ,観光誘客,農林水産物のブランド化,企業誘致を県の最重要PRテーマとして位置づけたところであります。  また,年度内にPRに係るテーマごとの考え方やターゲットの設定,手法や視点などを整理したPR戦略指針を策定するとともに,新年度においては,プロモーション戦略チームを設置し,より機動的な組織体制のもと,戦略的な情報発信に取り組んでまいります。  例えば茨城マルシェにつきましては,本県の厳選された逸品を提供するアンテナショップとして大幅なリニューアルを行いますほか,海外からの観光誘客に特化したいばキラTVでの動画制作や新たなネットメディアの活用など,新しい取り組みも積極的に展開してまいります。  さらに,在京テレビキー局を活用した本県のPR番組の刷新につきましては,これまでの「旬刊!いばらき」を終了し,番組構成や出演者など内容を一新することにより,視聴者層の拡大を図ってまいります。  いばらき大使につきましては,県内外でのイベント出演やメディアでの露出などさまざまな機会で活用を図ってまいりましたが,今後は,特に著名な芸能人など情報発信力のあるいばらき大使を,いばらきの魅力発信隊としてさらなる活用を図るとともに,PRに関する専門家や有識者から構成されるいばらき広報戦略アドバイザーを設置し,観光誘客や農林水産物のブランド化に関する助言をいただくなど,情報発信力の強化を図ってまいります。  また,県民を初めとしたさまざまな方の声を県政に反映させるために,インターネットを活用して県への御提案を広く受け付けるとともに,現場においての私との対話などの機会を設けることで,新しい茨城づくりの理念を県民と共有し,施策に生かしてまいりたいと考えております。  これらの新たな取り組みに加え,私みずからも茨城ブランドのトップセールスを積極的に行うなど,本県の魅力の戦略的なPRに全力で取り組んでまいります。 36 ◯山岡恒夫議長 次に,近藤生活環境部長。                   〔近藤生活環境部長登壇〕 37 ◯近藤生活環境部長 イノシシの被害防止対策の強化についてお答えいたします。  イノシシによる被害は,従来から農作物被害に加え,中山間地域の人口減少やイノシシの個体数の増加,分布拡大が進んでいることから,イノシシが住宅地や市街地等に出没し,交通事故や家屋侵入,人身被害といった生活環境被害が全国的に発生しております。本県においても,ことしに入り,つくば市や常陸太田市で県民がイノシシに襲われる事案が生じました。  県では,平成17年に茨城県イノシシ保護管理計画を策定し,農林作物被害の軽減と人と野生鳥獣との共存のための施策を総合的に進めてまいりました。しかしながら,生活環境被害の側面については,事案も少なく,情報提供や注意喚起が十分に行われてきたわけではございませんでした。  今後は,イノシシがさまざまな環境に対して適応能力が高いことを考えますと,イノシシの市街地への出没はこれまで以上に増加していくことが危惧されますことから,住民や観光客の方々がみずからの安全を守ることができるよう,イノシシの生態や適切な対処方法を理解していることも大切であろうと考えております。  イノシシは,本来,臆病でおとなしい性質ですが,興奮していたり,発情期や分娩後には攻撃的になると言われております。このため,イノシシに出会った際には,興奮させないよう落ちついてゆっくり行動することや,攻撃したり威嚇したりしないことなど,イノシシの生態や対処方法の情報のほか,市街地周辺に生息可能な環境をつくらないよう,やぶの刈り払いなど環境整備の重要性について,県のホームページなどで積極的に発信するとともに,市町村や学校などを通じ,広く周知を図ってまいります。  また,議員御指摘のとおり,狩猟の際に逃げたイノシシは興奮状態になっており,通常よりも危険性が高く,狩猟者自身の事故も報告されております。  県といたしましては,狩猟中の狩猟者の事故防止はもちろんのこと,狩猟から逃げ,興奮したイノシシが県民を襲うことがないよう,県猟友会や市町村と連携しながら,適正な狩猟方法の徹底などについてあらゆる機会を捉えて注意喚起するとともに,狩猟者の技術向上を図ってまいります。  これらの対策を講じることで,県民の生活環境が守られ,一人一人が安心して暮らすことができ,イノシシを含む野生鳥獣とも共存できる環境づくりに努めてまいります。 38 ◯山岡恒夫議長 次に,木庭保健福祉部長。                   〔木庭保健福祉部長登壇〕 39 ◯木庭保健福祉部長 子ども食堂の拡大促進に向けた取り組みについてお答えいたします。  子ども食堂は,子どもなどを対象として無料または低額で食事を提供するもので,団体や個人など民間の主導で始まった取り組みです。昨今,こうした活動が全国的に広がっているところでございますが,貧困家庭の子どもへの食事の提供とあわせ,地域における子どもの居場所づくりという観点からも,コミュニティ全体で子どもを見守る役割も担っているものと認識しております。  本県におきましては,平成29年10月現在で,少なくとも37カ所の子ども食堂が開設されております。その中には,貧困対策として対象を子どもに限定しているケースや,地域コミュニティ活動の一環として広く地元の方を対象に実施しているケースなどさまざまな形態があり,設置者の自由な発想と工夫により,地域の実情に応じて運営されているところでございます。  このような中,子ども食堂の活動の中心となるNPO法人等が,普及啓発のためのイベントや情報の共有と課題への取り組みについて定期的に話し合うネットワーク会議を主催する動きもあり,県内において子ども食堂の運営団体による連携の取り組みも進んできております。  県では,子ども食堂が民間団体の自発的な活動として積極的に展開されていることを踏まえ,引き続き関係団体の皆様との意見交換や運営に必要な情報の共有を行いながら,その活動が円滑に進むよう支援してまいります。  また,子ども食堂における食の安全・安心につきましては,開設予定者に対する衛生面の注意事項を県ホームページに掲載するなど情報発信に努めるほか,保健所が子ども食堂に直接出向いて衛生講習会などを実施しているところでございます。  さらに,来年度,本県において,子どもの置かれている経済的な状況や健康の状態などを把握するための実態調査を行う予定ですが,この調査において貧困家庭の子どもが抱える課題や子ども食堂への期待とニーズなどを把握し,子ども食堂の取り組みを進めるための有効な施策について検討してまいります。 40 ◯山岡恒夫議長 次に,櫛田農林水産部長。                   〔櫛田農林水産部長登壇〕 41 ◯櫛田農林水産部長 県産米のブランド力の強化についてお答えいたします。  県産米のブランド化に向けては,県オリジナル品種の「ふくまる」を牽引役として,消費者ニーズを捉えた商品づくりと効果的なPRを実施していくことが重要であると考えております。  そのため,ふくまるにつきましては,大粒で食味がよいという特徴を最大限に生かし,これをセールスポイントにブランド力の強化を図ってきたところです。  具体的には,家庭用向けの米については,玄米を1.85ミリでふるうことが一般的ですが,ふくまるは2ミリでふるうことを基本として,加えて,全国のブランド米と同様に,玄米たんぱく質含量や栽培方法によって3段階の基準に分け,各基準に合わせて米穀専門店や量販店などに販売しております。  また,ふくまるを消費者へしっかりと印象づけるため,専用のロゴマークを作成し,品質基準を満たしたふくまるの米袋に使用し,販売を開始したところであり,評価は確実に高まってきております。  こうした中,卸売業者からは生産量の増加や知名度の向上が要望されており,今後,ふくまるのブランド力を一層高めるためには,生産対策と販売対策を一体的に進めることが必要と考えております。  まず,生産対策につきましては,大粒で高品質なふくまるを,需要に応えられるよう安定して生産することが何より重要でございます。このため,大粒生産のための技術実証ほを県内12カ所に設置し,そこでの現地研修会を行いますとともに,高品質安定生産を実践している技術の高い生産者を表彰し,その取り組みを他の生産者にも広く紹介する,ふくまるグランプリの開催などを通じて普及を図ってまいります。  次に,販売対策についてですが,食味が特によいとされる基準を満たしたプレミアムな「特選ふくまる」をトップブランドにするため,情報発信力の高い有名米穀専門店を通じて,テレビや雑誌などメディアに取り上げられる機会をふやすとともに,都内百貨店や高級料理店で取り扱ってもらえるよう営業活動を行ってまいります。  また,量販店では,多くの消費者にふくまるのおいしさを知ってファンになっていただけるよう,店舗内での試食販売のほか,プレゼントキャンペーンなどを実施してまいります。  さらに,知名度向上に向けては,ラジオ放送や駅デジタルサイネージなどを活用した広報活動を行うとともに,SNSによるイベント情報や一流料理人によるPR動画を発信してまいります。  県といたしましては,今後とも,生産対策と販売対策を一体的に進め,ふくまるのトップブランド化を進めてまいります。  次に,日本一の芝産地の持続的な発展を支える取り組みについてお答えいたします。  本県の芝は,作付面積3,100ヘクタールの大半がつくば市及び周辺地域で生産されており,花きの産出額140億円の約4分の1を占める主要品目の一つでございます。  県では,これまで,生産面において県オリジナル芝4品種を育成・普及してきたほか,芝刈り機などの機器等の導入費支援,土づくりや病害虫防除の指導などを実施してまいりました。また,販売面では,いばらき花フェスタにおける県産芝の展示PRや県発注公共工事における県産芝の利用促進などにより,産地を支援してきたところでございます。  こうした中,平成23年の東日本大震災の影響により,翌年の生産額は約4億円減の25億円まで落ち込みましたが,その後,震災復興の公共事業による需要増などにより33億円まで回復してきており,今後とも,産地から求められております生産対策にしっかりと取り組み,産地の維持・発展を図ってまいります。  具体的には,既につくば市では,農地中間管理事業を活用して6ヘクタールの農地を芝畑として担い手に集積した事例もございますので,こうした事例を他の地域にも紹介しながら,規模拡大を目指す生産者等への農地の集積を進めますとともに,作業性の高い機械や施設の導入を支援し,担い手の確保と生産性の向上に努めてまいります。また,病害虫防除や土づくりの栽培技術につきましても,引き続き地域農業改良普及センターが中心となり,指導を行ってまいります。  さらに,刈り芝の処理につきましては,これまでつくば市が個別回収等の対策を実施しておりますが,今般,新たに回収ストックヤードの設置について検討を開始したところですので,県といたしましても,こうした場に参画をし,市や生産者とともに,有効な処理方法を検討してまいりたいと考えております。  なお,議員御提案の関係機関が連携したモデル事例づくりにつきましては,品質向上や需要拡大を目的に,生産者,販売業者,つくば市及び県などで構成するつくば芝振興協議会が設置されておりますので,まずは,この協議会を通じまして産地の新たな課題を把握しますとともに,課題解決に向けた機械メーカーや国の研究機関等との連携体制づくりなどに努めてまいりたいと考えております。  県としましては,こうした取り組みにより,日本一の芝産地の維持・発展を支えてまいります。 42 ◯山岡恒夫議長 次に,富永土木部長。                    〔富永土木部長登壇〕 43 ◯富永土木部長 河川の維持管理の推進についてお答えいたします。  まず,河川緊急減災対策事業についてでございます。  近年,大型台風や異常気象による集中豪雨によって,災害発生のリスクが高まってきたことから,県では,河川沿いに家屋が立地している区間などにおいて,土砂の撤去や樹木の伐採などを行う河川緊急減災対策事業を,平成28年度からの3カ年で実施しているところでございます。  全体計画90カ所のうち,平成28年度に30カ所の対策を実施し,今年度は,当初の予定を前倒しして39カ所の対策を進めており,減災対策の加速化を図っているところでございます。最終年度となる来年度につきましては,残る21カ所について対策を実施してまいります。  なお,平成31年度以降につきましても,毎年出水期前に行う総点検において,土砂の堆積や樹木が繁茂している箇所を確認した上で,適切な対策を実施してまいります。  次に,民間活力を生かした河川の維持管理の推進についてでございます。  限りある予算で,河川の維持管理をより適切に行うため,県では,さまざまな手法を用いて,コスト縮減に努めております。  まず,堤防の除草工事から発生した刈り草の処分費用を縮減するため,一部の河川において,希望する農家へ刈り草を無償で配布する取り組みを行っております。また,今年度から,伐採した竹をチップ化し,防草剤として堤防のり面へ敷きならす実証実験を行っており,その有効性や採算性を検証しております。  さらに,河川の除草や清掃に協力をいただいている市民団体等に対し,河川愛護奨励金による支援を行っているところでございます。  なお,議員御提案の公募型樹木伐採につきましては,経費を削減する上で大変有効な方策の一つと考えられますので,他県の事例を参考にしながら,導入に向けた検討を行ってまいります。  一方,土砂の除去につきましては,かつて砂利採取業者による乱掘が行われ,堤防の足元が損傷するなど河川管理上の問題が発生したことから,本県では,長年,砂利や土砂の採取を認めておりませんでした。  しかし,堆積土砂の撤去に民間活力を導入することは,経費削減に有効な手法でございますので,平成26年度から,久慈川等において代行掘削を試行しているところでございます。これは,砂利採取関係の組合が県にかわり堆積土砂の撤去工事として砂の採取を行い,その砂を利用するものでございます。  代行掘削につきましては,これまでの検証の結果,河川管理上大きな問題は生じないと考えられますので,来年度からの本格導入に向けて,現在,検討を行っているところでございます。  県といたしましては,今後とも,このような経費節減につながる取り組むを進めることにより,河川の適切な維持管理を行い,地域住民の安全・安心の確保に努めてまいります。  次に,道路行政についてお答えいたします。  まず,都市計画道路上野花室線の整備についてでございます。  本路線は,中根・金田台地区の骨格となる交通軸として,平成11年に妻木金田線とともに都市計画決定された道路であり,県道藤沢荒川沖線から土浦境線に至る約3.3キロメートルの計画となっております。  つくばエクスプレス沿線開発の関連道路については,土地区画整理事業の進捗や道路ネットワーク形成の状況を勘案しながら,順次,道路整備を進めてきており,現在は,県道土浦境線のつくば市西平塚から酒丸までの区間で4車線化を進めるとともに,都市計画道路新都市中央通り線のつくば市島名から面野井までの区間などの整備を進めているところでございます。  中根・金田台地区の関連道路といたしましては,これまで,県道藤沢荒川沖線のさくら大橋を含むバイパス整備や土浦大曽根線及び藤沢荒川沖線の現道拡幅などを進めてきたところでございます。  このような中で,UR都市機構による中根・金田台地区のまちづくりが進んできたこともあり,つくば市の柴崎交差点を中心として東西軸の交通渋滞が慢性的となっております。  この渋滞を緩和するためには,学園東大通りと中根・金田台地区を連絡する妻木金田線の整備が大変重要てあると考えておりますが,この妻木金田線については,事業着手に向けた地元との調整が難航しているとつくば市から聞いております。  県といたしましては,上野花室線については,妻木金田線と時期を合わせ,連携して整備していくことが,この地域の道路ネットワーク形成の観点から最も重要であると考えております。このため,現在,妻木金田線の整備主体となるつくば市と,上野花室線の事業化に向けて協議を行っているところでございます。  一方で,上野花室線の整備に当たっては,中根・金田台地区から県道土浦境線方面へ向かう橋梁が必要となり,その整備に多額の事業費を要するとともに,道路の完成までに長い期間を要することなど,多くの課題がございます。  県といたしましては,上野花室線のできる限り早期の事業化を目指して,引き続き,整備時期等も含めて,つくば市と調整を図ってまいりたいと考えております。  次に,県道赤浜谷田部線の整備についてでございます。  本路線は,筑西市とつくば市を結び,地域間の交流や住民の日常生活を支えるとともに,沿線に立地する企業の物流効率化に寄与するなど,重要な役割を担う県道でございます。  県としては,この県道について,これまで,県道土浦境線から北側約2.1キロメートルのバイパス整備を進めてきており,平成28年3月に全区間が開通したところでございます。  このバイパスの北側のつくば市吉沼及び安食地区の現道につきましては,道路の幅員が狭く,屈曲している上,一部区間については,小学校の通学路であるにもかかわらず歩道もないなど,自動車や歩行者の安全な通行に支障を来している状況でございます。  県といたしましても,この地区においてバイパスを整備する必要があることは認識しておりますので,現地の状況に関する基礎的な調査に着手したところでございます。  しかしながら,このバイパス整備については,河川に近接したルートとなるため,軟弱地盤の対策に膨大な費用を要することや,道路の完成までに長い期間を要すること,さらには,多くの地権者の皆様に用地の提供をいただかなければならないことなど,多くの課題がございます。  このような状況ではございますが,県といたしましては,今後,地元つくば市など関係機関と協議しながら,まずは,どういったバイパスルートが望ましいのかについて,複数のルートを比較することにより検討してまいりたいと考えております。 44 ◯山岡恒夫議長 次に,柴原教育長。                    〔柴原教育長登壇〕 45 ◯柴原教育長 県立高校入試におけるインフルエンザ罹患者等の受検機会の確保についてお答えいたします。  本県では,県立高校入試に当たり,これまでも,受検者にはインフルエンザ等の感染防止のため,日ごろからマスクの着用,手洗い,うがい等を励行するとともに,健康管理に十分注意して学力検査に臨むよう,例年12月に中学校に通知し,指導の徹底を図ってまいりました。  しかしながら,受検直前にインフルエンザ等に感染し,体調を崩してしまう受検者もおりますことから,当日の別室での受検を認めており,昨年度の入試では,議員御案内のとおり,当日別室で受検したのは県全体で60名おりました。  全国的にも同様の状況が見られることから,平成28年10月に文部科学省は,受検機会の十分な確保について,特段の配慮をするよう全国に要請したところでございます。  このため,本県におきましても,昨年6月の入学者選抜方法協議会において,追検査の実施について検討をいたしましたが,日程の設定や問題の公平性についての課題が指摘されました。
     具体的には,インフルエンザの感染による出席停止期間が,発症後5日を経過し,かつ,解熱後2日を経過するまでと規定されており,本検査から追検査までの期間を何日あけるべきかといったことや,本検査と追検査の問題の差による公平性の確保は難しいのではないかということでございます。  その後,追検査の実施に向けて調査,研究を進めてまいりましたが,現在,学力検査の日程について検討を加えているところでございます。  これまで,本県では,学力検査を3月上旬とし,翌週に合格者発表,そして第2次募集の合格者発表が高校の春休み前に終了するように実施しております。これは,中学校での授業時間をできるだけ確保してほしいという要望や中学校,高等学校の学校行事への配慮,さらに新年度の準備等に必要な時間を考え,入学者選抜方法協議会における議論を経て実施しているところでございます。  今後,県といたしましては,入試日程の変更が生徒や学校へ与える影響が大きいことを踏まえ,先行している他県をよく研究し,次年度以降追検査が実施できるように,現在の入試日程に追検査を導入した場合に想定される入学手続や新年度の準備等に影響が出るといった課題を整理し,本検査と追検査のどちらの受検者にも不公平感がないようにすることで十分な受検機会が確保されるよう,引き続き検討してまいります。 46 ◯山岡恒夫議長 鈴木将議員。                   〔27番鈴木将議員登壇〕 47 ◯27番鈴木将議員 御丁寧なる答弁をいただきまして,ありがとうございます。時間がありませんので,要望にとどめます。  まず,知事から,戦略的なPRの方法として,いろいろ新たな目標設置や意欲的なお答えをたくさんいただきました。大変期待をしておりますので,ぜひ県民と一体となって取り組んでいただきますように要望申し上げます。  また,農林水産部長から,ふくまるについて御答弁をいただきました。2012年に採用されて,翌年から本格栽培に入って,もう5年以上たちます。農地は3,000ヘクタールの設定ということであったのですが,なかなか進まない要因の一つに,生産者登録制度というものがありますが,これは絶対に品質の維持管理に必要なものでありますので,ぜひ生産者に理解をいただいて,促進をしていただきたいと要望申し上げます。  あと幾つか要望申し上げたかったのですが,時間が来ましたので,これで終わりにいたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第2 第85号議案 48 ◯山岡恒夫議長 日程第2,第85号議案を議題といたします。          ──────────────────────────────  第85号議案 教育委員会教育長の任命について          ────────────────────────────── 49 ◯山岡恒夫議長 この際,知事から追加提出議案の説明を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 50 ◯大井川和彦知事 本日,追加提出いたしました議案は,人事に関するもの1件であります。  第85号議案は,来る4月15日付をもって任期満了となる教育委員会教育長に,柴原宏一氏を再任しようとするものであります。  何とぞ適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 51 ◯山岡恒夫議長 以上で,本日の日程は全て終了いたしました。  次回は明3月7日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を続行いたします。  本日は,これにて散会いたします。                     午後4時39分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...